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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2019

勝ってメルセデス男。星野陸也が描く青写真

賞金1位の今平周吾と競り合う23歳が、スタートの1番から連続バーディの好ダッシュ。星野陸也が「65」で回って単独首位に立った。

開幕前から「今季一番」と、選手らが口々に評する高速グリーン。
フェアウェイは狭く「ティショットでドライバー以外をたくさん持つ難コース。セカンドも、フェードやドローを打ち分けたほうが攻めやすい」。
屈指の飛ばし屋だが「そういう、マネジメントを考えるコースは好き」。
何より、総合力が問われる難舞台でこそ嬉々として、向き合う。
目標の”戴冠”にまい進する。

今季、メルセデス・ベンツ日本とJGTOとのオフィシャルパートナー契約の締結を受けて、その名に冠がついた瞬間から「目標のひとつにしていた」。
平均ストロークや平均パットなど、9つの部門別ランキングをポイント化して総合力を示す「メルセデス・ベンツポイントランキング賞」。

1位者にはメルセデス・ベンツSクラスと、賞金が贈られる。
先々週まで1位を走っていたが先週、今平に1ポイント差で抜かれた。
最後の再逆転に賭けている。
どの分野でも気が抜けない。
この日も、各部門の自身のスタッツに目くじらを立てて「サンドセーブで失敗した。痛い」と、顔をしかめる。
「明日は挽回する」と、気を引き締める。

18歳で取得した免許証はマニュアル。「マニュアルじゃなきゃ男じゃない」と、車にも運転技術にもこだわりがある。
現在の愛車は、お父さんからゆずり受けた国産のワンボックスカー。
「20代後半で、外車に乗るのが夢でした」。
最終戦での1位奪還なら憧れの高級車が、予定より早く手に入るかも。
「いま自分で買ったら調子乗ってんじゃないか…と思われそうですけど、頂けるのなら大丈夫でしょう?」。

シーズン最後の頂上戦で、目指すは勝ってメルセデス男。
「あんな高級車はなかなか手に入らない。せっかくいい位置にいるし今週は30人と、選ばれた凄い選手たちの中で、優勝できたらカッコいい」。
出場最年少の23歳の脳裏には、最終日の青写真がすっかりとできている。

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