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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2019
燃料はベンツと1億円! 23歳の星野陸也も今平との最終決戦へ
この土壇場で、泡を食っているのがプロ4年目の星野陸也である。
メルセデス・ベンツ日本とJGTOとのオフィシャルパートナー契約締結を受けて、今年からメルセデス・ベンツが冠についた総合ランキングの「メルセデス・ベンツトータルポイントランキング賞」。
9つの部門別ランキングをポイント化して順位を割り出す栄えある賞で、今年の受賞者には「メルセデス・ベンツSクラス」と賞金が贈られることも決まった。
その受賞をひとつ大きなモチベーションに今年、星野はほぼ1年を通して1位を守ってきたのにいよいよ先週、シーズン最終戦を目前に、再び今平周吾にその座を奪われてしまったのである。
「先週、今平さんは最初あんまりよくなかったけど最終日にやっぱりきちっと上げてきた。ヤバいな、思っていた」と、終わってみれば案の定…。
186センチの長身だが太りにくい体質で、シーズン途中のスタミナ不足が課題だったが今年はトレーニングと食の改善につとめてパワーアップに成功。
6月には「ダンロップ・スリクソン福島オープン」で通算2勝目を飾るなど、順調に来ていたのに終盤戦で躓いた。
11月の三井住友VISA太平洋マスターズで首痛のため欠場。
「丸1週間、クラブも握れず、トレーニングもできなかった」と、体重もピーク時から2キロ減の76キロ。
「先週から、周りにも痩せた?と聞かれることが多くて…。2キロでも分かっちゃうんだ、と」。
今平にも逆転の隙を与えてしまったのは痛いが「痛みが長く続かなかったのは良かった。休んだ翌週も、まったくやってなかった割には予選も通れた。よい経験」と、復帰明けの「ダンロップフェニックス」も54ホールの短縮競技をしっかりと戦い抜くなど、大きなケガにならなかったのは幸いだった。
”再逆転”のチャンスもある。
総合ポイントで抜かれたといっても今平とはわずかに1ポイント差(145P)。
「逆に、あれだけ平均値と高い選手と競ってることが、自分としては不思議」と現状を分析しなおし、やる気につなげた。
5日の本戦から、クラブハウス前の「JTプラザ」で始まる「優勝者当てクイズ」の会場に飾られる写真パネルに、左利きで書き込んだファンへのアピールコメントは「優勝、頑張ります!」。
有言実行の今季2勝目なら、V賞金4000万円を加えて自身初の年間獲得賞金1億円越えも実現する。
「1億円超えるには、1年平均してよい位置にいることが必要になる。すごいことだと思う。最後の試合で楽しみのひとつになる」。
ベンツに、賞金に1億円と、今年最後のギリギリまで23歳の闘志を燃やす材料に事欠かない。