Tournament article

長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント 2019

プロ入り前のシブコさんと共演。45歳のすし石垣が「”ひなぼん”に半歩でも近づけたら」

海鮮が美味しい北海道で、イキのいい登録名の選手が上に来た。本名・聡志こと「すし石垣」は二男三女の子だくさん。初日はスタート前から楽しみだった。長女で高3の栞奈さん(=写真右)と、次女で中3の杏梨さん(=同左)が夏休みの最終週を利用して、自宅の岡山から朝イチの飛行機で来てくれることになっていた。

強い風が舞い、盛夏の洋芝は深く粘っこい。
「易しいコンディションではなかった」と、11番では木の根っこのボールを木にぶち当てダボを打つなど手こずったが「せっかく来る娘たちをがっかりさせない!」。
そのあと挽回の3バーディは、最終18番こそ見せ場になった。
第1打をバンカーに入れ、2打目は出すだけ。210ヤードも残ったパー5の3打目は、左の池を避けたつもりがヒヤリと左に飛んだ。
グリーン左のエッジになんとかかじりついたバーディトライは15メートルもあったが、奥のスタンドに愛娘の顔を見つけて「間に合ったか!」とパパ発奮。

流行りの”壁ドンパット”とはいかなかったが、「最後にそろりと入った」と、歓喜のバーディ締め。
「パパ天才…!」。
グリーンサイドで娘2人をかき抱き、初日から感動に浸った。

埼玉県出身の45歳だが、奥様の実家がある岡山に住んで15年。
県出身の”シブコさん”とは、昨年の地元テレビで共演した。
現在は、シブコさんの所属先でもあるRSK山陽放送のゴルフ番組「サンデースマイルゴルフ」でチーム戦を争い「世界基準のゴルフ」と、度肝を抜いた。プロテストの受験前の女子アマに向かって「オジサンにもゴルフ教えて!」。
その際に、撮らせてもらったスイングビデオを教材に、昨晩も脳内イメージを高めたばかりだ。
親しみを込めてすしがつけたあだ名は「ひなぼん」。
最初の出会いで「ひなぼんは、すぐに勝てる」と直観した通りのフィーバーぶりに、45歳もあやかりたい。
シブコさんのようなしなやかさもないし、壁にぶつける強気のパットもできそうにはないが「ひなぼんの活躍の、半歩でも近づけたら」と、切実だ。

日本での初優勝時も、このたびのメジャー制覇もラインで祝辞。でもシブコさんの返信はいつもごくシンプルで「”ありがとうございます”と”頑張ります”、このふた言しかまだ見たことない」。
2008年には自己ベストの単独2位に入ったのが、今大会。
すしと好相性の北海道で、このまま45歳のツアー初制覇なら、きっとにぎやかなメッセージを届けてくれるはずだ。

<すし石垣>
1974年2月18日生まれの45歳。埼玉県出身。中学時代は野球少年だったが、近所の練習場で球拾いのアルバイトをしたことからゴルフに興味を持つ。高校卒業後に研修生となり、1997年にプロテスト合格。当初は本名の石垣聡志でプレーしていたが、アジアンツアーに参戦していた時に「分かりやすいニックネームを」と知人が提案した「すし」を採用。日本でも02年から登録名を「すし石垣」に。
06年に初シードも、勝てないまま権利を失い今季は、チャレンジトーナメント「AbemaTVツアー」の賞金ランク上位19人の資格でレギュラー復帰。バーディを奪った際に派手に踊り狂う通称”すしダンス”とニッカボッカとハンチング帽の勝負服も人気。

関連記事