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中日クラウンズ 2019
平成の落とし物を獲りに行く! 片岡大育は令和でリベンジ
「3年前の、あれですよね」。
平成28年大会のこの「中日クラウンズ」は優勝に一度は手が届いたと思った。
2位と2打差で来た最終日の17番で悲劇は起きた。
パー3のティショットを大きく曲げて、左の林へ。
そこから4打もかかってダブルボギーを打った。
韓国の強豪、金庚泰 (キョンテ)とのプレーオフにもつれて敗退。
みすみす自滅をした悔しさに、流した涙は忘れられない。
翌年の平成29年にもさっそくリベンジのチャンスを迎えたが、4位に終わった。
「2年連続で取り逃がしたあの優勝…。令和で取り返したいと思います」。
今年からマネージャー業に転身した伊能恵子さんを、再び今週はキャディとして担ぎ出したのも、もちろん「あの悔しい思いを2人で払拭しようというところ」。
新天皇が即位をされたこの日5月1日。片岡も感慨深い思いで、令和最初の日を迎えた。
昭和63年生まれは「3時代を生きるって、なかなかないプレミア感」。
片岡が生まれてほどなくして平成へと切り替わったが、ほんの1年足らずでも、昭和の時代を生きたことは片岡には「誇り」という。
「実は僕、昭和天皇のファンなんです。戦争もあって、あの大変な時代に63年余もつとめられたのは、歴代を振り返ってもなかなかない長さ。そこに昭和天皇の覚悟とか、思いを感じて。ギリギリでも昭和の時代に生まれてよかったな、って」。3時代男は再び迎えた新時代のはざまでそんな感慨に浸りながら、この2日間を過ごしたという。
そして、いよいよ時代は令和へ。
「3年前は負けましたけど、あのときはあのときでもう終わったこと。新たな時代に、新しくなったゴルフで勝ちたい」と、思いも新たに和合に立つ。
「今年は賞金王を目指したい」。さっそく3時代目の目標も定まった。