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ZOZO CHAMPIONSHIP 2019
無口な周吾を饒舌にする。日本初開催の米ツアーの威力
昨年から、今平周吾の体を看る渡辺研太トレーナーが証言した。
「ケアをしている間とか、いつもより口数が多いんです。選手のテンションが上がっている証拠」。
今週は海外のトップランカーが、千葉・習志野に集結する。
ウッズやマキロイの雄姿を一目見ようと練習日から1万人を超えるギャラリーが駆けつけるなど、早くも盛り上がっている。
日本ツアーではなかなかない雰囲気に、一見してはわからぬが今平の心も実は弾んでいるようだ。
「一杯ギャラリーがいて、これだけの一流の選手が集まるとやっぱり気分が上がります。やる気が出る」。
初出場のメジャーは16年の全英オープン。
あまり感情を出さない選手だが、今平も当時は人並みにはしゃいだ。
今年はマスターズにも初出場を果たして、婚約者とウッズを追っかけサインをもらい、撮影した2ショット写真は今も大事にスマホに保存してある。
だが、今年は初めてメジャーにフル参戦を果たして、回を重ねるごとに、それもだんだん免疫がついてきた。
今週ももちろん、ウッズの姿にひそかに心をときめかせながら、「最初よりかは写真を撮りたいとかいうのは薄れてきた」と、昨季の賞金王はデンと構えて世界トップを迎え撃つ。
「こういうフィールドで、自分がどれだけやれるか。楽しみ」。
海外メジャーは、これまで6戦出てまだ一度も予選通過がない。
時差ぼけのせいなのか、長時間の移動の疲れか、海外ではいつも体が全体にむくんだようになり、それが取れないままいつも終わってしまうという。
渡辺トレーナーによると「服をもう一枚、余計に着てプレーしているような感覚になってしまうようなんです。体の変化やスイング、道具に繊細なのはトップアスリートの証しではありますが、今平選手は時々、それが顕著な時がある」。
日本でプレーするのとは違う違和感で、いつもの実力が発揮できないまま予選ラウンドが終わってしまうようだが今週、初の日本開催ではその懸念はゼロ。
むしろ、開幕前日のこの日23日は朝、練習前にきつめのアップで体を追い込む余裕も。
「開催前日の水曜日のトレーニングはここ一カ月ほど前からの日課なんです」(渡辺トレーナー)。
万全を期して今週を迎えた。
「海外に行くと、いつも思うようなゴルフができていませんが、今回はいつもの日本ツアーでプレーしている感覚でできれば」。
今週は予選落ちのない72ホールのストロークプレー。なお思い切って攻めていける。