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フジサンケイクラシック 2020
ZOZOとホールインワンと大会2勝目。星野陸也が快挙に挑戦
「ドロー、フェード、高い球、低い球。全部を使って、コースの状況と自分の調子に合わせて打っていく」。
全長7500ヤードのコースで、自慢の豪打に巧みな技を絡めて6バーディ(2ボギー)。
通算8アンダーの単独首位に躍り出た。
星野陸也が、2年ぶりの大会2勝目を射程にした。
ツアー初優勝を飾った一昨年の今大会は、5打差の圧勝。
両親の祝福に、大号泣した。
だが、2度目のチャンスは2位と1差の大混戦。
「今年はバチバチ行きます!」。
コロナ禍でのツアー再開初戦は無観客。
一転、静かなV争いには「学生時代を思い出す。バーディ獲ったら、キャディと『よし、次行こう!』って。淡々とやるよりは、自分で頑張って盛り上げます」。
186センチの長身だが、16年のデビュー時はひょろりと痩身で、ケガも絶えなかった。
コロナ禍で、試合ができない間も「ゴルフのことばかりを考えた」。
鍛錬の時間を増やし、クラブ選びの時間に費やし、「自分は体が疲れてくると、軸がぶれてくる。しっかり対応できるスイング改造にも取り組んだ」と、自粛期間も研究熱心。
「ここまで3日やっても体の張りもなく、上手くいっていると思う」。
8か月ぶりの再開初戦で自身の成長を実感している。
この日は朝から、発奮材料もてんこ盛り。
今大会の勝者には、10月の米「ZOZOチャンピオンシップ」の出場権が与えられるとスタート前に発表された。
世界ランク上位7人の出場枠で、星野はいまちょうど7番目。
「コロナの期間にランクが下がっていくことを、すごく気にしていた。でも、ここで勝てればまた確実に出られます」。
日本初開催で盛り上がった昨年に続く、2年連続の出場権もモチベーション。
またこの日は特に、16番パー3で気合が入った。
キャリーオーバー中のホールインワン賞金700万円の提供社は今年、星野がサポート契約を結んだばかりの「日清オイリオ」。
土日の達成者が受賞の対象者というわけで、さっそく気合を入れたが「今日に限ってティがめちゃくちゃ後ろ。ボギーは打てないけど、狙いたい…。結局、バンカーに入れましたけど、そこから納得のリカバリーができました」とまずは、渾身のパーセーブ。
改めて、最終日に快挙に挑む。
「ホールインワンと優勝。実現できたら、めちゃめちゃ喜んでもらえますよね」。
大会2勝目に付帯する特典は、あまりにも大きい。