大混戦のリーダーボードで若い力が躍動する。
23歳の大岩龍一も、5人タイの3打差3位で、最終日に挑む。

この3日間とも「68」を並べて、V争いに加わった。

3日目、最後の18番は思わず笑顔をゆがめた。
奥2メートルの大チャンス。
「狙いより曲がった」と、外した。
「気持ち的にイケイケだったんで。薄めに読んだら外してしまった」と悔しがった背中に、プロ入り3年の成長をにじませる。

18年に、開催コースの隣のホウライカントリー倶楽部でQT初挑戦。
だが、「ここと、良く似た感じのコースで池があり、グリーンの傾斜もなんならここよりも強い。凄く難しかった」と、サード落ち。
「あの時は、二度と来たくないと思いました」と打ちのめされた。雪辱の舞台で、「100点のゴルフができている」と、毎日こつこつ4アンダーを重ねてきた。

でも、見渡せばバーディ戦に「明日は、4つじゃ足りないですね」と、目標スコアを設定しなおし「まずは前半４つ」と、プラン立て。
「緊張は絶対する。意識しすぎず、自分のプレーができたらいいな」と、平常心につとめる。

「今週は、先輩方が苦労をされて作られた試合。サポートしてくださるサトウ食品様にも、出場チャンスが少ない僕には本当にありがたい。この気持ちをプレーで出せたら」と、選手会主催の初トーナメントで、恩返しの気持ちも一杯。

2021開幕戦の「東建ホームメイトカップ」で自己最高の4位。
勢いづきたいところを次の「関西オープン」は欠場。

開幕直前に、強い腹痛と発熱があった。
「このご時世に」と、青ざめた。
感染を危惧したが検査は無事、陰性。
胃腸炎と診断された。
182センチの偉丈夫に見えるが、「こう見えて、お腹が弱く…」。

18年の転戦で、1勝を飾ったアジア二部ツアーでも、ブルネイの試合でひどくお腹を壊した。

最終日の一番の課題は「健康に、スタートすること」と、笑う。
「お腹痛いな、と思ったらすぐ胃腸薬」と、今週も恐る恐るの「ほぼカツ屋」は、初Vへの願掛けになるか。

• 大岩 龍一