フェアウェイから3Uで、2メートル半に乗せてイーグルで締めた18番や、ほか6つのバーディなど、「どれもこれも手応えがあった」と、収穫を話す中でも会心ホールは「超ナイスボギー」の16番パー4だ。
土手にへばりついた3打目を出して、4打で乗せて、3メートルを沈めて、ケガを最小限にとどめた。
4位タイと今年、やっと好スタートが切れた。
2021年に開幕から快進撃を続けるなど7試合で8位内を記録。
初シード入りを果たしたが、同2年目の今季は「みなさんお気づきの通り、開幕からずっと悪くて・・・」と、先週まで8試合に出て、決勝進出は「中日クラウンズ」だけ。
原因は大きく分けて「右膝の故障」と「海外でのロストバゲージ」だ。
今年1月の予選会を突破して、アジアンツアーの出場資格を取得。
早々に転戦を始めたが、長時間の移動でエコノミー症候群を発症。
右膝に後遺症が残った。
加えて、ニュージーランドからシドニーへの帰路でキャディバッグを一時的に紛失し、代用クラブで対応したことも、ますますスイングバランスを崩す要因に。
「ほかにもコロナにかかって声が出なくなったり」と、苦難が重なったが「どれもいい経験。どれだけ悪くなっても乗り越えられるはず」と、高校生から習う谷将貴(たに・まさき)コーチとケガで壊したスイングを立て直し、復調の兆しに合わせてクラブのヘッドやシャフトを調整し、試行錯誤を重ねてようやくいま整い始めたところ。
「今日はその結果が少し出てくれたのかな」と、安堵の好発進だ。
「長時間歩くとまだ痛いし、コースで変なしゃがみ方」と、グリーンでラインを読むときなど、ケガの右膝を伸ばしたままの姿勢は辛いが、応援を背に受け雨中の初日をどうにか完走できた。
開催地の地元・千葉県出身。
初日から駆けつけた恩人らの前で、復調の気配を見せることができたのも嬉しい。
市内の実家から、千葉夷隅ゴルフクラブまで45分ほど。
少し時間はかかるようでも「近くに宿がないし、木更津とかに泊まっている人たちよりも、家から来たほうがよほど早い。楽ですし・・・」と、希有な自宅通勤も大いに復活への足がかりにする。