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JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2021
もてなす側の葛藤も…。時松・大会会長と池田・同実行委員長が会見
期間中は、時松が大会会長を、また池田は同実行委員長をつとめる。
2人で改めて、支えてくださるスポンサーやコース、関係者、運営社のみなさまにお礼の言葉を繰り返すと共に、戦う選手でありながら、大会役員という立場の難しさを吐露した。
協力してくださるスポンサーの獲得はもちろん、開催コースの交渉や会場整備、開幕前日の視察ラウンドの準備や、コロナ感染対策などなど。
「言い出したらキリがないくらい。何が大変だったか、どれが一番と言ったらいいか分からないくらい。ここにたどり着くまで苦労があった」と、奔走の日々を振り返った池田。
それでも、いざ本戦が始まれば、いち選手として全力を尽くすのは当然のことだ。
「出場144人の中で、ナンバーワンになれればそれ以上のことはない」と、意気込みを話す一方で、「今までずっと裏方でやってきて、私が優勝したい、というのはおこがましい気持ちもある」と、偽らざる思いが漏れた。
「なんとなく、ちょっといつもの調子で俺が勝つって言いにくいものがあります」と苦笑し、抱負の言葉も「そういう気持ちを心の奥底にひしひしと思いながら、最終日のバックナインになったときには誰よりも、一番むき出しの状況になれればいいなと思います」と、いつになく控えめだった。
時松も同様で、大会を起ち上げた一番の理由にしても、「コロナで多くの大会が中止や延期となる中で、なんとか選手のみなさまに、活躍の場を提供したいということ」。
選手会長として、また大会会長として、「本戦でも、選手のみなさんに、ぜひ活躍していただきたい思いがある」と、会見でのコメントも、つい主催者寄りになる。
また、時松には”最終日の表彰式問題”もある。
進行台本では、時松が優勝杯のプレゼンターをつとめることになっている。
だが、もし時松が優勝した場合はどうするか。
「その時は、佐藤社長や青木(功JGTO)会長、または選手会副会長の石川(遼)選手や小鯛(竜也)選手がつとめることになると思います」という池田の説明を、のちの囲み取材で伝え聞いたのは、石川だ。
「それは…僕も思っていました。ゲンちゃん(時松の愛称)が大会会長だから、大会会長が優勝したらどうなるんだろう、と。でもなるほど、そういう想定もあるわけですね…」と、いくつかの可能性について、頭を巡らせたのちに「(出場選手)144分の1なんで。狙って、自分がそれになるというのは難しい世界ですけども…。できれば、自分がそれ(優勝杯)をもらえるように頑張りたいですね」(ニッコリ)。
心配ご無用。
いざ始まれば、たとえどんな立場にあろうとみなプロゴルファーの本能が、勝手に出るはずだから。