見てろよ、稲見さん
ついに今季の最終戦は優勝か、単独2位が条件だ。
賞金2位の木下稜介が、大逆転の賞金王に挑む。
歳下の女王に、活を入れられ最後の力を振り絞る。
女子ツアーは先週が最終戦。稲見萌寧さんが、9位と粘って逃げ切った。
さっそくSNSでお祝いのメッセージを送ると「後に続いてくださいね」と、返ってきた。
「調子があんまりよくないんだよね」と、つい弱音をこぼすと「まだまだ気合いと根性が足りてないです」と、8歳下に叱られた。
「最後くらい見せてくださいよ」とピシャリと言われて「はいっ頑張ります」。
思わず敬語で返信していた。
「途中、故障やプレッシャーもあって、苦しかったと思うけど、彼女はほんとに気持ちが強いプレーヤー。自分にないものをたくさん持ってる。年下ですけど、見習うところがたくさんある」と、仰ぎ見る。
同じ奥嶋誠昭コーチに師事する。
先週の「カシオワールドオープン」で予選落ちを喫した木下は、「コーチのほうが先に泣いてましたね」と、2人の戴冠シーンをほほえましくテレビ観戦しながら「弟子のアベック賞金王なら最高の恩返し」。
自然と気合いが入っていた。
「僕も稲見選手も成績が出なかったらコーチの責任だからね、と半ば冗談、半ば本気でプレッシャーをかけてましたけど、今年優勝(初優勝から連勝)出来たのも、ここまで来られたのも間違いなくコーチのおかげ」。
今週月曜日には、余韻も冷めないコーチを訪ねて課題の下半身始動のスイングを再度、体に覚え込ませて、感謝を募らせ会場入り。
先週から2連戦の佐藤賢和キャディは、本大会で3勝の経験者だ。
「今週はその経験にも頼る」とバッグと共に、全幅の信頼を預けて歩く。
「優勝しか賞金王はない。泣いても笑っても最後の一戦なので。調子とか関係なく、気合いでまっすぐ飛ばして、根性でパターを入れる」。
8つ下の女王に根性見せる。