西日が美しいホールだが…
どんなに差をつけて入っても、油断できない魔のホールがある。
それが東京よみうりの18番パー3(227ヤード)だ。
超高速グリーンは奥から滑るように下る。
何を間違ってもティショットは手前に。ピン位置によっては、あえて乗せない選択肢もある。
どの選手も口を揃えることだ。
賞金ランキング4位の星野陸也は、「今日はショットの調子が良かったのでいいスコアで上がれると思っていた」と、4アンダーでこの最終ホールを迎えた。
でも、まんまと「最後に罠にはまってしまいましたね」と、嘆息。
第1打はセオリー通り、グリーンの左手前に置いたのだ。
だが、次のアプローチで禁を破ってしまった。
逆光のいたずらで、「距離感が出しにくかった」と、ピン奥に寄せたのが、「一番の失敗でした」。
約3メートルのパーパットで今度は「今年グリーンのスピードがちょっと遅い。今までを知っている分ちょっと逆に読み過ぎた」と、4年連続4度の出場経験が、むしろ今回ばかりは邪魔をした。
カップに背を向けるように打ったパットは、1メートル強ショートし、次のボギーパットを今度は1メートルオーバー。
ダブルボギーパットは辛くも決めたが結局、首位と3差の2アンダー、7位タイ。
最後に順位を落として「もったいない1日。めちゃくちゃ損した気分」と、悔しがった。
悲願の賞金王には、勝つしかない状況でさっそく初日から、地獄を垣間見たが、「明日はしっかりと切り替えてやっていきたい」。
悲喜こもごものドラマを生んできた最終ホールだが、逆を言えば、どんなに差をつけられて入っても、まだチャンスが残っている、ということ。
最終決戦は、まだ幕を上げたばかりだ。
<本日の中継予定>
9:00ー15:15(日テレGタス)