完璧なロブショットでした
賞金4位から、勝てば大逆転キングの星野陸也が、2日目の「66」で、首位と3差の単独2位に浮上した。
初日にダブルボギーを叩いた最終ホールは、この日平均3.667ストロークで、ついにシーズンを通じた最難関パー3と化した。
魔のホールに、通算7アンダーで入った。
「今日は倍返しをしてやろう、と思った」。
しかし、グリーンの右奥でたなびくフラッグを見上げて、「倍返しされそうなピン位置」と、この日も恐怖をこらえてティショット。
瞬時に向きを変えた風に翻弄されて、「予想外のところに行った」と、再び大ピンチを迎えた。
でも、左足下がりのラフから思い切りフェースを開いたアプローチは「完璧なロブショットが打てた」と、いうだけに「欲を言えば入れたかった」と、上り3メートルのパーセーブに失敗して悔しがったが、「あと2日でパーを獲りたい」。
リベンジのチャンスは週末に持ち越しだ。
通算2アンダーの7位タイから首位だけを追ったこの日は3番ティショットで「チーピン打った」と、ボギーを先行させたが、「星野プロ~~~、頑張って~~~」。
会場見学に来ていた地元小学生たちがロープの外から大声援。「癒やされました」と、たちまち切り替え気力も回復。
5番で最初のバーディは、左の崖下から木と木の隙間ぎりぎりを狙って「フックをかけて、フライヤー計算して。右からフォローの風を読んで、完璧な1打」と、みごとピン2メートルに乗っけた。
さらに2打目を3アイアンで、右手前カラーまで運んだ6番では、「10ヤードの上って下る直角フック」を、パターで読み切りイーグル獲りに成功。
17番では「今週の初バンカー」からピンそば1メートルにくっつけチャンスを作った3打目も完璧だった。
1日2000人の有観客試合でにぎやかに、みどころたっぷりのゴルフを繰り広げて、勝てば逆転賞金王へのビッグチャンスを築いた。
コロナ禍の今季、昨年9月の再開初戦「フジサンケイクラシック」で大会2勝目(通算3勝目)を飾ると、今年は4月の「関西オープン」と、5月の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」で今季3勝を重ねて、「全米プロ」→「全米オープン(26位)」→「全英オープン」から、東京五輪へ(38位)。
激動のオリンピアンが、今季最多の4勝目で締めくくれば文句なしの初戴冠だ。
「最後も、優勝して賞金王が獲れたら最高」。
有終の美を目指す。