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長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 2021
日本の夏、自炊の夏。ヨンハンが後半戦の好ダッシュ
風のない午前中に、一挙に貯金を作った。
5番のパー4で、約120ヤードの2打目を沈めてカップインイーグルを奪うと、次の6番から3連続バーディ。
6アンダーで折り返すと風が強く吹き始めた後半は、そつなく1アンダーでまとめて「65」。
7アンダーを記録して「空気もきれいで、ゴハンもおいしい。北海道が一番大好きです」と、マスク越しでもウキウキが伝わってくる。
前日の大雨から晴れ間が戻ったこの日は、午前中にプレーを終えて、大空のもとでたっぷりと打ち込み。
1日の締めはツアーに帯同するフィットネスカーで、身体をリセット。翌日にむけて万全整えた。
コロナ禍の転戦。先週まで約1カ月半のオフは、特に海外勢には悩ましいところ。
帰るか、帰らざるべきか。
帰って、また来てを繰り返せば、隔離でほとんどがつぶれてしまう。
「韓国の選手たちは、結局ほとんど帰っちゃいましたので。寂しかった」とヨンハンも迷いに迷って、7月の日本プロからそのまま、日本に留まることを決断。
大阪市内に借りたウィークリーマンションでの「人生初」の独り暮らしで、初めての料理にも挑戦した。
キムチチゲにタッカルビと、次々とレパートリーを増やす中でも余りを使ったキムチチャーハンには「美味しすぎてビックリ」と、自画自賛。
「料理って、作ったあとがめんどくさい」と、ブツブツ言いながらも、マメに家事もこなして「洗濯は僕が一番、上手いヤツです」と、独特の言い回しで得意をアピールした。
東京五輪も一人で十分楽しめた。
「本当なら会場で観たかった」と、部屋で孤独なテレビ観戦でも、男子ゴルフで銅メダルを争う7人のプレーオフは一見に値した。
「ゴルフで3位を争って、というのは普通ない。それでも、すごい選手たちがみんな3位になりたくて、あんなに頑張っている。見ていて、すごく面白かった」と、3年後のパリ五輪に向けて、思いも新た。
2年間の兵役から今年、復帰したばかり。
今回の東京では代表を狙っていくことすらできなかったが「次は、ぜひ目指してみたい」と、さっそくここからまた目標に向かって歩き出す。
ヨンハンの夏休み。日本で過ごした時間は有意義だった。