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日本プロゴルフ選手権大会 2021
石川遼が公式会見に出席
「1年越しのディフェンディングチャンピオンとしての大会ということで、待ち遠しい気持ちで一杯です」なとど、意気込みを述べた。
会見の冒頭に、大会主催のPGAの倉本昌弘・会長から改めて、今大会の出場が実現した経緯の説明もあり、「たくさんの方々のご尽力もあり、この大会への出場を認めていただき、驚きと感謝の気持ちで一杯。その気持ちでプレーしたい」と、思いも新た。
5月末に行われた「全米オープン」の日本予選でトップ通過を果たした際には、「これからのゴルフ人生の選択肢のひとつとして、苦渋の決断。何かを得て成長した形で帰ってきたい」。
帰国後2週間の隔離を承知で、旅に出た。
だが、特例処置により、隔離期間中でも出場できるとの報告を得て、27日にきゅうきょ帰国。
その足でコース併設のロッジに入り、同じく、五輪の強化選手として出場が認可された星野陸也と共に、バブル方式と呼ばれる非接触生活に入った。
練習場は常にロープで区切られ、他者に2メートル以上は近づけず、練習ラウンドも常に1人か、星野と2人で回り、プレー後も外出は禁止。
今週は、今年3試合目の有観客試合で、練習日から多くのギャラリーを集めるが、コースでは警備員が随行し、ソーシャルディスタンスが保たれる。
「特別な1週間になります。自分がここにいることによっていろんな方にも迷惑をかけますし、大変な思いをさせてしまっているという思いもある」と、頭を垂れる。
「だからこそ、きちんと対策を取ながら、ギャラリーのみなさんの応援を力に、試合に集中して頑張りたい」と、いつも以上に結果を求める。
1年越しの連覇を狙う今年の開催コースは、栃木県の日光カンツリー倶楽部だ。
昨年はコロナで1年延期となったが、7年前から準備を重ねてこられたというコースは、その間も丹精をこめて最高の舞台に整えようやく選手たちを迎え入れてくださる。
牧野裕・PGAコースセッティングアドバイザーによると、グリーンの速度は12フィート以上。硬さを示すコンパクションは23以上。
ラフは、所によっては100ミリを超え、開場66年の名門コースは、フェアウェイまでうっそうと張り出す木々が、空中のハザードを形作る。
「日本プロでの連覇は非常に難しいことだと思います。なぜなら毎年開催コースが変わり、コースとの相性だけで語れない部分があるから」。
昨年のエキシビションマッチや、10年以上前にもラウンド経験があるそうだが、「僕自身の記憶は定かでなくて。肌感ではほぼ初めてという感じ」と、困難を承知で偉業をにらむ。
「コンディション次第では、スコアを伸ばすことも可能なんじゃないか…」と、果敢に「自分が優勝した中で、一番大きな大会。コースは変われど1日4アンダーを目標に、しっかりと攻略して一番に上に立てるように頑張っていきたいです」。
リモート画面の向こうで大会史上9人目の連覇を静かに見据えた。