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パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 2021
豪打とチョロとガッツパー。大岩龍一「僕みたいな1年目の選手が」
ボギーなしの「67」は豪打と、繊細さと、ちょっぴりの愛嬌をおりまぜたプレー。
約3メートルのチャンスは逃したが、4番パー3の第1打はピンの根本をとらえるスーパーショット。
585ヤードの5番パー5は残り255ヤードの左ラフから2オン、2パットのバーディを奪った。
後半16番では、木の下をくぐらす4アイアンの2打目をグリーンそばまで運び、上手く寄せてOKバーディに。
巧みなクラブさばきを見せたかと思えば、前半3番ではスプーンの第1打を「どチョロ」と、派手なミスショットに苦笑しながら1メートルをしのいで「ガッツパー」を拾い、ボギーゼロにまとめるしぶとさも見せた。
今年、出場10試合のうち予選通過をした6試合はすべてトップ10入り。幾度となくV争いも経験し、7月の約1か月半の夏休みの間にちょろっと妄想。
「このままいけば、ZOZOとかJTとか…」。
10月に2年ぶりの日本開催が決まった「ZOZOチャンピオンシップ」や、成績上位にしか出られない栄光のシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に出る夢を見てしまった。
「リランキングまでどれくらい稼げばいいか。いろんな計算をしたのが悪かった」と、反省。
18年のプロ転向も、本格参戦は今年から。
「先を考えるというのは、コースとか試合の展開をよく知っている選手がすることで、僕みたいな1年目の選手が考えてうまくいくわけない」。
自分を戒め「目の前の一打。毎日、目標4アンダー」と、がむしゃらを決めた途端にまたV争いだ。
182センチの長身で、よく飛ばすがまっすぐ飛んで、よく入れる。
コース攻略の肝は、小5に買ってもらったピンパター。
成長に伴い、もともと31インチのシャフトを段々と、33.5インチまで伸ばしていったくらいで、ヘッドは10年以上も変わっていない。
不動の「絶対エース」を守るため、グリーンとの相性が悪いコースではあえて別のパターを使って封印するなど徹底して、悪イメージをつけないように守るほど。
「グリーンに合わせるのではなく、僕のパターにグリーンを合わせる。僕の打ち方に問題があるわけでなく、グリーンとの相性に問題がある」と、徹底したプラス思考で、たとえ予選落ちでもストレスフリー。
「僕の場合は、すべてのコースがほぼほぼ初出場。コースにうまく対応できる週とできない週と。それが好調の波みたいに見えているけど、僕の調子は開幕から全然、変わっていない」。
今年、決勝ラウンドでは絶対にトップ10を守る一方、今年4戦の予選落ちには「経験の浅さか、技術不足か」と笑うが、出場権がなかった19年に、稼ぎ場を求めて転戦したアジアの二部ツアーで優勝したのがちょうど2年前の今大会期間中。
経験はある。
「今週のグリーンのスピード、芝質は好み。また改善の余地もある」。
好機も来ている。