「覚えています…」と、微妙な笑みが浮かんだ。
「ここで青木功さんに叱られて…」。
苦い記憶と共に、今にも通じる原点の学びだ。
あの日、最終日は当時、東北福祉大3年の久保田皓也(くぼた・ひろや)に1差の2位からスタートして逆転。
アマVと共に、大会連覇がかかっていた今平周吾の偉業もまとめて阻止した。
なかなか盛り上がる展開だったが、一部始終を見ていたJGTO会長の青木を残念がらせたのが、優勝決定の瞬間。
幼少期から習う篠塚コーチの方針で、「相手に敬意と、コースへの礼儀を」と、ガッツポーズは控えるまでも、本当に何にもなしの地味なVシーンに青木がお咎め。
「ウィニングパットを入れたらリアクションしなさい」との説教を、直立不動で聞いたのももう4年前。
「当時は自分のことだけで、いっぱいいっぱい」と、初々しかった25歳が、コロナ禍の20ー21年に選手会長を経験し、男子ゴルフのために奔走し、昨年から始めた“げんちゃんポーズ”もすっかり定着し、先週もスタート時に地元ファンが真似しながら「今日も“これ”一杯見せてよ!」と、おねだりされていた。
「期待していただけるのは、本当に嬉しい。青木さんの言いつけを守って頑張っています」と、重責を離れた今年も盛り上げに一生懸命。
「ただ、あのときから4年も勝ててない。勝ってリアクションできてない」と、そこは悔しそうに「今度こそ、勝ってポーズします。ここで“2勝目”狙いますのでみなさん、ぜひ見にいらしてください!」。
あれから4年ぶりの通算4勝目で、今度こそ青木の金言を実戦する。