大会は3年ぶり6度目の挑戦で、日本ツアー初制覇は逃したが、通算2オーバーの6位タイは、3年前の2019年の5位につぐ好順位で今回も存在感を示した。
「JGAが年寄りを招待し続けてくれるのであればまたぜひ出場したいと思う」と、42歳はお茶目に笑い、「いつ出場しても楽しいし、引退する前にぜひ優勝したいと思う」。
再挑戦を約束してコースを辞したスコットと、最終日の直接対決に恵まれたのが、賞金2位を走る桂川有人である。
「今週はティショットが思うように打てなかったので、ラフに入っちゃって。出しただけ、というのが今日も多かった」と日に日に難易度を上げたナショナルオープンのセッティングに苦戦。
4つのボギーのほかにもダブルボギーを2個も打ち、「いやー難しかった…」と嘆息したが、お隣のプレーをしっかりチェック。
「スコット選手はミスもありながら、リカバリー力が凄かった。簡単にボギーを打たず、流れを切らさないといった力強さを感じました」と旅立ちの前に、2013年のマスターズを含むPGAツアー14勝のゴルフを目に焼き付けた。
スタート時に、高校3年間をフィリピンで過ごした英語力を駆使して、次々週に米二部ツアーのファイナルQスクールの受験が控えていることも合わせて自己紹介しておいた。
「終わったときに、今日はパットが入らなかったけどその分、再来週に入るんじゃない?って言ってくれました」と、何よりの餞別に喜んでいた。
桂川の実力について、「今週は日本の若い選手とたくさんプレーしたが、ユウトはとても手堅い選手」と、評価したスコット。
「Qスクールを通過するには一番良い状態でその週を迎えないといけないが、通過する力はあると思うし来週はパットが決まれば大丈夫。ツアーカードを獲得して、ぜひ自分の力を試して欲しい」と、改めてエールを贈った。