プロ2季目の今季、8度のトップ10のうち、実質的な優勝争いをしたと実感しているのが、2打差の単独2位から出て比嘉一貴(ひが・かずき)に2差3位で競り負けた「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」と、4位タイからスタートしてまだアマだった蟬川泰果(せみかわ・たいが)に1差の2位に敗れた「パナソニックオープン」の2試合だ。
特に、「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」は悔しくて、しばらく涙が止まらなかった。
「今年中に優勝したい」と雪辱に賭ける残り3戦。
今週の難コースで相棒に選んだ串田雅美キャディとテーマに掲げたのが「打倒・稲森さん」。
6年連続フェアウェイキープ1位を続ける稲森佑貴(いなもり・ゆうき)を手本に、背の高い松林を避けて避けて避けまくる作戦が初日から奏功。
「きょうはスタートからティショットがフェウェイに行ってくれました」と首位と1差につけて「最後まで好位置を続けられるように頑張る」と、ホストVによる初優勝をにらむ。
星野と岩﨑に次いで、ホストプロ上位となる3アンダーの12位タイにつけた出水田大二郎(いずみだ・だいじろう)もまた、スリクソンの契約選手。
「中学生のころから本当にずっとお世話になっている」と、日頃の感謝を口にし「この大会は毎年、メジャー以上に気合いが入る」と、今年も初日から意気込むが「きょうはショットが今年一番悪くて、パットが今年一番良かった日。どっちの一番も、いっぺんに両方来ちゃった」。
慣れない洋芝に対して「つい打ち込みに行きたくなっちゃう。クラブが鋭角に入って“右ペラ”の球。悪いくせが出ちゃった」と“空中戦”で苦戦した分、8メートルのバーディパットを沈めた12番のほかにも、2番や、池に入れた11番では3メートルの“ガッツボギー”が2回も。
グリーン上でなんとかスコアを構築することができた。
ホストプロとして挑む今大会は、出身の鹿児島県から車で2時間弱で来られる。
「家から一番近いのがこの試合。毎年、楽しみにしてもらっているし、応援もたくさん来てくれるので、いいプレーを見せたい気持ちが強い」と今年も張り切っている。
2週前の「マイナビABCチャンピオンシップ」で2打差の2位タイにつけるなど、2018年の「RIZAP KBCオーガスタ(現Sansan KBCオーガスタ)」以来となる通算2勝目までもう一歩。
「ここで優勝できたら最高ですね」と、ひしめくホストプロに負けじと上昇を期した。