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For The Players By The Players 2022

サトシの言葉で復活だ。45歳のハン・リーがイーグル5点の首位発進

45歳が、前夜の予習をしっかり活かした。
米出身のハン・リーが、14得点で小袋秀人と並んで首位発進した。



プロ22年目のベテランにとって、男子ゴルフで24年ぶりに復活したポイント制のステーブルフォード競技は初体験だった。

「どんなプレースタイルがいいのか?」と悩んで昨晩中に、YouTubeで過去大会を検索。
導き出した答えは「ダブルボギーを打たないことでした」と、ボギー3つにとどめて失点3で抑えた。


得点2点のバーディ6つで稼ぐと、迎えた17番パー5では会心の1打が出た。

バンカーから打った35ヤードの3打目をチップイン。
「ナイスイーグル!」と、思わず叫んでしまって慌てて訂正。
「違う……5ポイントだ。5ポイントゲットだよ!」と、身長190センチの大男が子どものように大喜びした。


2008年から日本ツアーで戦うが、14年終盤に左ひざを手術してから賞金シードを行ったり来たり。

2019年は、わずか22万円差で奪還に失敗した。
「体はもうだいぶいいのに、自信が持てない。自分のスイングに良いイメージがつかめないんだ」と、傷心の昨季は賞金106位で諦めかけた時、優しい声をかけてくれたのが、米ツアーから一時帰国していた小平智だった。


「サトシがね、リーさん大丈夫だよ、すごいいいスイングしているよ、って…。ほんとう嬉しくて。涙が出そうになったんだ」と、昨年末のファイナルQTから再挑戦。

同17位の資格で復活を期す今季は3度のトップ10入り。
獲得賞金はすでに1100万円を超え、現在賞金41位は、シード確保ももう間近だ。


昨年から契約を結んだユニクロのウェアをさっそうと着こなし、ブースに呼ばれたABEMAの生中継ではりゅうちょうな日本語も披露。

日本人の奥様の特訓のおかげで、せっかく通訳を介して応えていたメディアの囲み取材も、いつのまにか日本語で応じる上達ぶり。


「…ありがとう!」と、ぺこりと律儀に腰を折る。
2012年の「マイナビABCチャンピオンシップ」以来の日本ツアー2勝目なら、自身2度目のVスピーチも問題なしだ。

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