繰り上げ出場が決まったのは、黒﨑よりもっとぎりぎりの開催5日前だった。
黒﨑同様に、同週開催のABEMAツアー「大山(だいせん)どりカップ」から、きゅうきょ行き先先変更で、自身2戦目のレギュラーツアーにこぎつけた29歳である。
実は、「サトウ食品」の佐藤元・代表取締役のご長男で、大会運営にも尽力する大裕(だいゆう)さんと同級生というご縁で小学時代から、主催者一家と家族ぐるみのおつきあい。
お互い大学ゴルフ部で活躍し、高花のプロ転向後は少しご無沙汰したが今週は、主催者とプロという立場で久しぶりに再会した。
「このほかにもたくさん試合を開いてくれたり、男子ゴルフを凄く応援してくれている。ありがたい」と、同級生に感謝を伝える好発進にもなった。
千葉県出身。
お父さんの影響でゴルフを始め、法政大学に進んだが、2年時に「プロになりたい」と両親に申し出たところ「日本にいたら遊ぶだろう」と、海外修行に出された豪州で出会ったのがメジャー出場経験もあるプロゴルファーでコーチのオジー・モアさん。
「肩を入れてスイングしろ、と言われたとおりに練習したら、1日で20ヤードも飛距離が伸びた。冗談みたいに聞こえますけど本当なんです」と突然変異で一時期は、330ヤードを連発したことも。
「飛距離を武器に、日本に帰ってプロになりました」と、21歳の2014年に転向した。
まだ出場機会に恵まれないが、選手会の主催試合で巡り巡ってきた一発大変身の大チャンス。
「まずはシードを獲得して、優勝したい。あと3日、少しでも伸ばせるように頑張ります」。
変異したいのは、もちろん飛距離だけでない。