その時点で、1差トップにいた金谷もちょうど隣の9番で最終ホールを迎えていた。
今年2月のアジアンツアーで海外初制覇を達成するなど、「海外でも活躍できる選手」と、今平が高評価する一人である。
「やっぱり、力あるな」と改めて、一目置くと同時に自身も右手前から、10メートルのバーディトライに気合いが入った。
「負けられない」とねじ込み、観客の歓声をさらう8バーディ1ボギーの「64」。
スコアを並べて共に首位発進した。
今年31歳。
若手の台頭が一気に加速した昨季、2勝で対抗したが、突如らしくない大叩きをするなど、安定感を欠いて賞金ランキングは12位に終わった。
「クラブとのマッチングや、トレーニングで体のバランスを崩したとかもあったのかな」と首をひねるが「それも良い経験」と、今オフの調整にしっかりと生かしてこられた。
「年間3勝」を掲げて戻った今季はかつて2年連続賞金王を担いだ柏木キャディと再タッグ。
「僕のことを分かってくれているし、やっぱり、やりやすさがある」と、開幕から戴冠時の雰囲気でやれるのも心強い。
金谷のほか、初日3打差の8位タイと、好発進した久常涼(ひさつね・りょう)も、推しプロのひとりだ。
「彼も、すごくいい選手で注目してます。海外でも活躍できる選手が増えてきて、今年の男子ツアーはもっと面白くなる」と、断言。
「自分も、もっと頑張らないと」。
その中で、自ら主役を張るつもりで満々だ。