キャディバッグのお守りは、姪っ子ちゃんからもらったビーズの腕輪で、オフの癒やしも姪っ子ちゃん。
この秋、唯一のオープン週では練習も筋トレも、午前中にささっと済ませて姪っ子ちゃんと「トイザらス」。
お手々をつないで何買いたい?とつかの間デート。
「姪っ子にハマってます。お金めちゃくちゃ使ってます」。
お部屋の中でも乗って遊べるおもちゃの車を買ってあげたと貢ぎおじさんデレデレだった。
キリっと隙のないプレーと、愛されキャラとのギャップ。
中島が一昨年に、史上5人目のアマ優勝を飾った直後から「まー、かっこいい。ナイスバーディって言ったら、ありがとうございます、って。クリス・ペプラーさんみたい。声までかっこよかった」と、べた褒めしていたのは宮本勝昌だった。
「僕の中では石川遼、松山英樹に続く日本の宝の3人に入る」と、言った。
宮本もシニアツアーの賞金王に就いた2年後の今年、その言葉は現実のものとなった。
「彼が焦っているのを見たことがない」とは、金谷との賞金レースを支えてきた島中キャディ。
「あの若さで末恐ろしい」と、いつもひそかに感心するのは、どんな場面でもぶれない23歳の冷静沈着なプレーだ。
その一端を支えるのはアマ選抜のナショナルチーム入りした2015年から、中島が専用のスコアアプリに記録してきた膨大なプレーデータによる。
各ホールのピン位置や1打ごとの残り距離、ショット時のライ等々、プレー後にすべての状況を入力していく。
「それだけでもけっこう大変と思いますが、ずっと続けているみたいです」と、島中キャディ。
それを頼りに、4日間でゲームを組み立てているから、たとえ出遅れた週でも焦らずに済むというわけだ。
昨年末からコースメモも見ずにプレーし、感性はますます研ぎすまされていく。
金谷も中島も、互いに、互いとのプレーが「一番楽しい」などと語ったが、2人を支える2人のキャディもまた同じだった。
「ほんとに金谷選手とのプレーを楽しんでいる様子が僕らにも伝わってきて、僕らまで本当に楽しいね、と」。
島中キャディは、金谷のキャディのライオネルさんと、よくラウンド中にそう言い合って、うなずき合っていたそうだ。