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日本オープンゴルフ選手権 2023

賞金レースの主役で日本一の舞台に戻る、金谷・中島・蟬川

今週の「日本オープン」は、ツアープロをまとめる日本ゴルフツアー機構(JGTO)が主管する毎週のスポンサー競技と少し違って、アマを束ねる日本ゴルフ協会(JGA)の主催。


学生時代に選抜の「ナショナルチーム」で育ってきた選手たちは特に本大会への思い入れが強く、現在賞金2位の中島啓太(なかじま・けいた)は10日火曜日の事前の会見でも「たくさんお世話になっている、特別な大会。一番勝ちたい思いが強いです」と、述べている。


JGAが、いっそうアマの育成強化に力を入れ始めたのが今から8年前。

中島は、当時ヘッドコーチとして豪州から招聘されたジョーンズコーチとの結び付きがいまも強く、この秋から深いラフに対応するために、「左手下3本強く握る」といったグリップ法や、トレーニングで重しを持ち上げる際にあえてプロテクターを外して握力強化を狙うのも、ジョーンズコーチからのアドバイスだそうだ。

本大会はアマで4回出場し、昨年大会はプロでの初出場。
48位に終わったが、史上初のアマ2勝を達成した同学年の蟬川泰果(せみかわ・たいが)もナショナルチームで一緒だったし、大会5位の金谷拓実(かなや・たくみ)もそう。

あれから丸1年を経て、この3人でJGTOの賞金レースを引っ張っている。


とりわけ、歴代の世界アマ王者の金谷と中島は今年、図抜けた勢いで、賞金1位を奪い合い、本大会は金谷が1位で迎えた。



難しいセッティングに備えて「やはりティショットの精度が大事になると思っていたので。意識しながら準備をしてきた」と、金谷。


「ラフも長いし、距離の長いパー4も多いし、パー70の設定でパー5が少ない。バーディのチャンスが少なくなるのかな、と思いますので。我慢強くプレーすることが重要」と警戒しながら、「難しいコースでプレーすることは、いつもわくわくするので楽しみ」。

初日は、豪州のアダム・スコットと、昨年覇者で大学後輩の蟬川と同組になった。


組合せスタート時刻 


「素晴らしい組に入れていただいた。凄い選手と回れることもワクワクしますが、これは勝負なので。自分らしいプレーを続けていきたい」と、力をこめる。


本大会は、2020年のプロ転向から昨年まで3年連続でトップ10を外さず、アマ期は5度出て、初出場の2015年は2日目に2位⇒11位タイ。そして2017年は、池田勇太と激しく競り合い2位で負けている。


「まだアマチュアでしたが、池田選手とプレーして、優勝まで迫れた。ある程度の充実感もありながら、振り返ると大きな試合は勝てるチャンスで勝てないと、難しくなる」と当時の悔恨を忘れず、「今年はチャンスがあると思う。自分の力を出し切りたい」。

初出場時はひょろっと痩身で、ショットのたびにベルトからはみ出るシャツを何度もしまう姿にあどけなさがあったが、今は逞しさもプレー時の気迫も雲泥の差。


「経験も増えています。この大会は、日本一のトーナメントと思うので優勝したい気持ちが強いです」。

日本一の称号で、改めて現在賞金1位の成長をアピールする。


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