「JGAカラーです」と、クールに微笑んだ。
中島啓太(なかじま・けいた)は、元世界アマランク1位で、元日本ゴルフ協会(JGA)の世界選抜メンバー。
今週は会場に、今もお世話になる恩師やトレーナー、スタッフさんの笑顔があちこちに見える。
「たくさんお世話になっている。頑張りたい」と、さっそく熱い思いをはき出す好発進した。
JGA主催の試合は深いラフと絞ったフェアウェイがトレンドだ。
難条件下で奪った7つのバーディはもちろんさすがだが、それ以上に光ったのは、ミスのあとの挽回だ。
前半15番は、ティショットを右ラフに曲げて2打目は出すだけ。
3打目も寄せられずに7メートルも残したが、これをしのぐと、次の16番では7メートルを沈めて今度はバーディ。
イーブンパーに戻すと、さらに17番は右から13メートル超のバーディトライもねじ込んだ。
「パットの距離感がよくて、特にグリーン上でいいパフォーマンスができた」と、頷いた。
後半、すぐ連続バーディが来た1、2番のあと、3番でダブルボギーを叩いたが、「ここは風のジャッジミス。良いショットは打てていた」と、開幕前にショットのチェックをしてくれたというJGA専属のジョーンズコーチに改めて感謝。
「ラフにいってもナイスセーブができたので、ボギーも2つで収めることができた」と、3アンダーの「67」でまとめた。
初日から同組の石川遼(いしかわ・りょう)や久常涼(ひさつね・りょう)と、大勢のギャラリーを引き連れ揃ってアンダーパーで善戦。
「雰囲気がすごくよくて、リズムに乗れた」と、2人のリョウにもまた感謝。
特にナショナルチームでも一緒だった久常は、3週前に欧州ツアーを制覇したばかりだ。
「ショットの精度がかなり良くなっている。さすがだな」と、感心。
ラウンド中に「ケイタさんは来年どうするんですか?」と、聞かれて「自分も海外に出て行くつもり」と、即答。
刺激だらけの初日になった。
この日は、朝7時20分から出て正午前にはプレーを終えた。
「これから少し練習してからまた(JGAの)栖原さんとトレーニングして・・・」と、規則正しく翌日に備える。
「今日の流れを切らさないように。明日は、もっと我慢強くプレーできるように」。
全身全霊で主催者の思いに応える。