「入れなくても、そこまで強い意識はなかった」と話すが、バーディ締めの最終ホールでトップタイにつけたリーダーボードを見上げた際には、やはり「最終組に入れて良かったな」と、安堵したそうだ。
「入れたら、一番いい」と、今週もまた白熱した展開に頬が緩む。
1差2位から出たこの日はスタートから8ホールでパーが続いた。
「今日は自分の一番苦手なピン位置。正面や左からの風でピンが右奥に切ってあるところが多かったので、そこはなかなか攻めきれない」とそこで無茶をせず、あえて静かにホールを重ねて、前半最後の9番でこの日最初のバーディを奪ってから、反撃。
11番から3連続バーディなど、「チャンスが来るまで我慢強くできた。気持ちに余裕があるので、焦ることなく優勝争いができています」。
耐性も日々高まっている。
先週まで3週連続で優勝争いを続けて、プレーオフで1勝1敗。
先週は金谷拓実(かなや・たくみ)を2ホールで退けプロ初Vを飾った。
「金谷さんの怖さを乗り越えての優勝。そう簡単に優勝争いから外れたくない」。
ナショナルチーム時から尊敬する先輩に勝った誇りが今週の大きな武器だ。
「疲れはもちろんある」。
でも、この日は正午のスタートだったが、早起きして全米オープンの生中継を観戦。
ちょうど予選の最終日。
「あれだけのフィールドで、通るか通らないかの域でプレーしている選手ってもっと限界の中でプレーされていると思うので。本当は自分も出たかったし、力強く気持ちをもってまわれたら」と、自身もメジャー舞台にいるつもりで集中力を持続する。
1差の2位につけた前夜はネットニュースにも、力をもらった。
3連続ボギーを止めた“アイツ”の存在 河本力が踏ん張る理由(GDOゴルフダイジェスト・オンライン)
日体大先輩の河本力(かわもと・りき)が、中島について語った記事だ。
「読ませていただいて、僕の名前も出ていたりして」と嬉しそうに笑い、「力さんは絶対に中盤戦とか大事な試合で調子を上げて上位に来ると思うので。その時に僕がまだ、優勝争いできるように好調をキープしていかないといけない。気が引き締まりました」と、執筆した記者さんの目をまっすぐ見つめて「ありがとうございました」。
ご本人でなくとも、心に染みる謝辞だった。