Tournament article

カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2024

コース所属の片岡大育「たとえ何位で大会を迎えようと」誓った平常心

馴染みの地で馴染みの人と、自然と笑顔がこぼれ出る。

高知県出身の片岡大育(かたおか・だいすけ)の隣で微笑む伊能恵子氏は、初めて日本地図を描いた伊能忠敬の末裔で、片岡の過去3勝中、2勝をアシストした元エースキャディだ。


伊能キャディとコースマスコットの「かんくろうくん」と



大事なホスト試合で、2週前の三井住友VISAに続く今季2度目の再タッグ。
なんといっても、伊能さんの明るい性格に救われる。
「まあ~今週も2人でようしゃべってますわ。久々感もまったくないし、相変わらずエエ雰囲気です」。

実は、今年夏場前後に数試合でバッグを運んでくれたお父さんの和人さんも、この地元試合で
再タッグを望んでいたそうだが、「まあ今週は、観るだけにしてもらってね」。

プロ転向の2007年から、開催コースのここkochi黒潮カントリークラブの所属。
恩人らに復活する姿を見てもらいたい気持ちはやまやまだ。

2019年に8年守った賞金シードを手放した。
その翌20年には顔面神経麻痺を発症。
ショットの不振も重なり一時期、レギュラーツアーも遠のいたが、昨年の本大会で2日目8位(結果25位)と、復調の兆しを見せると、その後のファイナルQTで2位。

出場資格を取り戻した今季中盤は腰痛を発症するなど紆余曲折はあったが、8月の「Sansan KBCオーガスタ」で2日目に首位(結果10位)。
「ACNチャンピオンシップ」では6位タイにつけるなど、賞金ランキングは68位で、所属コースに戻ってきた。

シード復活を目前にして「ここに来てからも、みなさんに順位的なことを聞かれます」と、恩人らの思いや期待をひしひしと感じるが、「たとえ何位でこの大会を迎えようと、地元で頑張りたい気持ちは同じです。いつもの雰囲気でやりたいな」と、普段着のゴルフを自分に課す。

今は出身の香川西高校時代に過ごした香川県高松市に住むが、コースまで車で約2時間。

「オフは必ずここで過ごしますし練習させていただいている」。
今年は夏の猛暑で、コース管理の方々のご苦労も知っている。

「できる限りでベストなコンディションに整えていただいて、気温が下がればグリーンも締まってくる。週末につれて、次第に難しくなる」。
コースの状況も、攻め方も知り尽くしたコースで全力を尽くす。

「優勝争いしたい。トップ10には入りたいですし、優勝争いがしたいです」。

晴れても曇っても、プレー中のサングラスは、
風が吹いたり気温が下がってくると、意図せずこぼれてきてしまう涙を予防するため。
病いや不振と戦う背中を地元ファンも温かく見守っている。

関連記事