「呼吸がしずらい」などと異変を訴えたのは、日本共催の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」を当週に控えた、4月21日の日曜日。
駆け込んだ救急病院で「気胸」との診断を受けた。
今季は2月に「カタールマスターズ」で主戦場の欧州・DPワールドツアーを初制覇し、本人もたいへん楽しみにしていた凱旋出場だったがやむなく欠場。
即入院となった。
大学病院で処置を受け、5日で退院できたが、医師の指示で丸1か月静養し、大きなクラブを握れたのはやっと先月の25日だった。
「こんなに練習しなかったのは小学生以来じゃないか。テイクバックでどこに向けて上げるんだっけ…とか。アマチュアの方によく相談される悩み、みたいな…笑。練習場ではできるけど、コースではぎこちない」と、最初は勘を取り戻すので精いっぱいだったが、「今は6割7割戻ってきて、飛距離もそこまで落ちていない。ちょっとずつでも戻せる自信はあります」。
本調子までもう少しだ。
今週の会場は、「1回も赤信号につかまらなければ」(星野)車で5分ほど。
ジュニア期から親しんだ宍戸からの復帰も考えたが、有資格者を除いた5月20日時点の欧州・DPワールドツアーのポイントランキング最上位者に次週の「全米オープン」の資格が発生することがわかり、渡米準備に注力することにした。
パリ五輪の選考締め切りももう間近。前月の全米プロも欠場するしかなく「悔しかった」と落ち込んだ時期もあったそうだが、医師によると、想定よりかなり早い回復だそうだ。
「五輪もあきらめていない。全米オープンで一発逆転できたらいい」と、前を向く。
翌8日の土曜日に出発する。
その直前に会場に駆け付け「ご心配をおかけしたみなさんに」と、地元笠間市の人気店「くりーむ」さんの名物チーズケーキスティックをお土産に持参。
関係各所に頭を下げて歩いた。
星野の来訪に合わせて、この日は笠間市役所の広報の方もご来場。
市長から激励のメッセージも届くなど、星野が地元でいかに愛されているか。
「試合を休んでしまってご心配をおかけしましたけど、おかげさまで完治しました。またアメリカでみなさんにいいご報告ができるように、来週のメジャーから頑張ってきます」。
出発前に、地元ファンに思いを伝えた。