埼玉県加須市出身の中島啓太(なかじま・けいた)は、プレー後にすぐ18番グリーンに戻り、同・入間市出身の今平周吾(いまひら・しゅうご)の祝福の輪に加わった。
主戦場での大事な試合をスキップしてまで駆け付けた地元開催の「日本オープン」。
初制覇だけをにらんで戻ったタイトル戦で通算4オーバーの6位で終戦。
悔しさを押し隠して、今平をハグした。
5位タイから出た最終日は3ボギーと3番での1ダブルボギーの「75」。
バーディを、ひとつも奪えないまま迎えた最後18番でもボギーを打ち、地元ファンのため息と労いの拍手をせつない気持ちで聞いた。
「今日、バーディー取れなかったので、最後取りたかったんですけど、それも取れなくて苦しかったんですけど、見に来てくれた皆さんには申し訳ないなと思います」と、詫びた。
アマ選抜のJGAナショナルチームのみなさんに、手厚いケアを受けながらの全力プレー。
夏のパリ五輪で腰を痛めていたが、「いや、ゴルフはできていたんで。体は大丈夫ですし、試合に出てるってことは体は大丈夫ってことで。勝つために戦いたいと思って来たんで、体は言い訳にはできないと思います」と、凛々しかった。
このあと、もう少し地元で過ごして次週の韓国開催「ジェネシス選手権(10月24日ー27日)」からまた欧州・DPワールドツアーに戻って、PGAツアーの出場資格をかけた最終チャンスに挑む。
「最後まで自分のプレーで戦いぬいて、体次第ですけど、最後“JT”出て今年を終わりたいなと思っています」。
日本ツアーのシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ(11月28日ー12月1日、東京よみうりCC)」で、4月の「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」と、今回の「日本オープン」に続く今年3度目の日本プレーで、今週勝てなかった悔しさを晴らす計画を立てているようだ。