初日ボギーは、魔と呼ばれる屈指の16番パー3のみ。
前半4番で1.8メートルを沈めてこの日最初のバーディを奪うと、立て続けの5番はチップイン。
後半も11⇒12番と、14⇒15番で1日計3度の連続バーディで駆け上がり、最後18番は470ヤードのパー4で、2打目の距離はわずか130ヤード。
上から9メートルと距離を残したバーディトライも沈めてのし上がった。
昨季のファイナルQT75位の資格で挑むルーキーイヤーは、リランキング順位で初出場を決めた本大会でやっと7戦目。
規程試合数に満たないため、現時点では部門別の対象外だが、今季の平均飛距離301.69ヤードは、今季9位に該当する数字だ。
精度が求められる三好で、豪打に一気に磨きをかけられたのは、同じ九州の大先輩のおかげ。
熊本出身の永野竜太郎(ながの・りゅうたろう)が、福岡出身の出利葉に練習場でわざわざ声をかけてくれたのは、永野がV争いを繰り広げていた今月の「ANAオープン」だった。
曲がるのが怖くて刻んだり、縮まる出利葉に永野は言った。
「“曲がる”んじゃない。飛ばす選手は”曲げられる”。ヘッドスピードが速いから、曲がる球が打てる。ターゲットを決めて振りぬいたらコースをもっと広く使える。人より速く振れるのだから、それをもっと生かそうよ…」などと指導を受けて開眼。
持ち球のフェードに磨きをかけ、狭いホールも怖がらず、今週はドロー球にもトライ。球種を増やして、初の三好に臨んでいる。
レギュラーの賞金ランキングは現在96位で、主戦場のABEMAツアーは43位。
どちらもまだ、来季出場権の確保には厳しく「中途半端な状態」は、否めない。
でも「レギュラーツアーであわよくば初シード」と、あえて高い目標にシフトし、「QTで出遅れたのに、こうやって試合に出させてもらって、竜太郎さんもそうですし、レベルの高い選手とプレーさせてもらって凄い幸せ」と、感謝に堪えない。
初日の好発進が、主催者の目にもとまった。
プレー後に土曜日恒例の「ドライビングコンテスト」の出場オファーを内々で受け、「僕でいいんですか?!」と2つ返事で快諾。
「よろしくお願いします!」と、主催者さんに頭を下げていた。
7月の「日本プロ」でアマプロ通算2勝目を飾り、現在賞金3位につける杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)は日大同期で、三島寮では同部屋。
4年時には主将の杉浦を副将で支えた。
「悠太は学生時代から人と違った。言葉にも重みがあった」と尊敬する無二の親友が今週、右ひじの怪我から5試合ぶりに復帰した。
「心配していたので、本当に良かった」と、帰還を喜び、「きょうも食事の約束をしています」。
久々に囲む食卓では、初日の好発進と合わせて報告したいことがたくさんある。