9アンダーの「61」をマークし、2差の単独首位に浮上した。
この日10個のバーディは、「ショットで獲った」という通りに2番からの5連続は、一番長くて3番の1.5メートルで、もっとも近いのが8アイアンでつけた4番パー3の30センチ。
「好きな距離が残るホールが多くて。ウェッジでしっかりチャンスにつけられた」と、ビタビタと駆け上がると9番でもまた100ヤードから50センチにくっつけた。
ターンして10番で、さらに2メートル半を沈める連続バーディを奪った。
このあたりから、ふと脳裏をかすめたのは2010年の石川遼だ。
最終日の和合で当時ギネス記録の「58」。
「ちらちらしてました」と、よぎった直後に14番で8メートルから3パット。
この日唯一のボギーですぐに夢は消し去ったが、2メートルを沈めた15番も、7アイアンで1メートルにくっつけた17番パー3も、右奥から2メートル半を沈めた最後18番も、お見事だった。
大会初出場で、和合をラウンドするのも今回が初めて。
「ラフから打つとチャンスにつかない。グリーンを外すとセーブできない」との開幕前の警戒心もどこへやら。
昨季のABEMAツアー賞金王が、初優勝をにらんで週末の難攻不落に挑む。
作陽学園高校(岡山)同級生の渋野日向子さんや、後輩の久常涼(ひさつね・りょう)みたいに、自身も海外での活躍を目指して今季、アジアンツアーにも挑戦。
最終日に体調を崩した5戦目のサウジアラビアでは、ふらふらしながら、6番ホールで人生初のホールインワンを達成。
17位の成績を残してきた。
日本を行き来するハードスケジュールも、「試合をしながら日々成長したい」と、2年前からはじめたトレーニングを今もほぼ毎日欠かさず、本戦中もスイングにはギリギリ響かない程度の筋肉痛を我慢しながらプレーを続ける熱血漢だ。
渋野さんら、友人らがつけたあだ名は、天台宗の開祖・最澄生誕の地名が由来の名字「生源寺=しょうげんじ)をはしょって「ゲンジ」。
和合でも勇ましく、新たな時代を切り拓く。