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石川遼 everyone PROJECT Challenge 2024

大嶋宝がABEMAツアーで弟・港に続くプロ初優勝を飾る!

首位とは2打差の10アンダーの3位タイからスタートした大嶋港が6バーディ、ノーボギーの66をマーク。最後まで誰が抜け出してもおかしくない混戦を制して、悲願のプロ初優勝を手にした。

トップとは2打差で迎えた最終日の朝は、追いかける立場ということもあり、最終組だったものの変な緊張感はなかったと振り返る。その言葉通りに前半は4バーディ、ノーボギーで優勝争いの中心で堂々のプレーを展開した。

ただ、後半は2バーディのみ。特に今回の優勝の鍵となったのが13番パー3だ。ティショットは、それほど悪い感触ではなかったものの、ショートして手前のバンカーに。しかも目玉という大ピンチだった。混戦模様が続いていただけに1つのボギーが命取りになるような状況で、大嶋は冷静だった。

「目玉になっているのを見た時は『マジか!』と思いましたが、バンカーを超えたところのラフは順目だったので、パーはセーブできるかなとは思っていました。まさか入るとは思っていませんでしたが」。

構えてから躊躇なく放たれたボールは、手前からオンラインで転がり、綺麗にカップイン。スーパーバーディを奪取し、結果的にこの1ストロークを最後まで守り切り優勝することになる。

 

後半はこのバーディ以降はパーを重ねる展開。ピンチもありながら最後まで我慢を貫いた。そんな思いが最終ホールの最後のパットをタップインした際に溢れて、両手を広げて天を仰いだ。

 

大嶋宝は岡山県出身で2003年生まれの21歳で、2021年にツアープロ転向している。ゴルフ界では大嶋4兄弟として有名で宝は三男にあたる。今シーズンは昨年プロ転向した弟の港と共にABEMAツアーに参戦。2戦目のi Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘で港が兄よりもひと足先にプロ初優勝を飾っていた。

「2戦目で弟が優勝したのを目の前で見ていたんですけど、それもあって早く勝ちたいという気持ちで今年はプレーしていました。高校生の時も港はナショナルチームに入ったり、全国でも勝ったりして。僕のほうは成績的にはそんなにだったんですが、先にプロになって。それなのに先に優勝も取られた形で。今回の優勝は本当にめちゃくちゃ嬉しいですね」。

 

弟が先に優勝したことで言葉にすると『焦り』はあったかもしれない。ただ、宝は港の優勝を目の前で見ながら、心から祝福し、それを刺激に変えていたことも確かで、弟の優勝があったからこそ頑張れたと話している。

これで宝の賞金ランキングは港を抜いて2位にジャンプアップ。今シーズンの当初からの目標だったABEMAツアーでの賞金王も射程圏に入れた。最終戦は賞金王争いに加えて、兄弟対決からも目が離せない。