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東建コーポレーションカップ 1999

首位の中嶋常幸

昨年から、スイング改造に励んだ効果が、プレーの随所に現れた。
5番ミドル。ティショットが大きく右にそれて、隣りの4番ラフまで転がり落ちる大ピンチ。
だが、中嶋は、まったく焦る素振りがなかった。
「車に、全国地図が載ったカーナビを積んで、ドライブしているようなもの」との言葉どおり、多少のスイングのぶれに対する処方箋は、心得ている。
「いっぺん曲がった軌道は、焦って次のホールで一挙に左に戻そうとしたりしちゃいけないんだ。半分ずつ、徐々に時間を持って戻していく。2ホール目くらいで戻せるくらいにね」。
ピンチをなんとかパーで切り抜けて、続く6番(ミドル)。
今度は第1打を右斜面に。8番アイアンでピン手前4メートルにつけてバーディ。
さらに7番ミドルでは右ラフにティショットを落とし、8番ショートでは修正完了。
「長くやっているから(ツアーで闘っているから)直し方は心得てるんだ」とはいえ、それも、取り組んできたスイング改造のたまものだ。
これまで、ダウンスイング途中の動きの中に、まったく余裕がなかったため、インパクトの瞬間に、振りぬきたくない方向へクラブを打ち出す傾向にあった。
だが、専属コーチについてその欠点を克服。揺るぎない自信につながっている。
「迷いがまったくなくなったんだ。そうすると、パーやボギーのゴルフより、バーディ、イーグル狙いのゴルフができるような気がしてくる。そういうゴルフで勝ちたい、って気になれるんだ。そういう気持ちでゴルフができるようになったことが何より嬉しいね」語る言葉には、今度こそ期待できる頼もしさがひしひしと感じられた。

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