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JCBクラシック仙台 1999

3位につけた堺谷和将がプレー終了後に訪れた場所

左ひじのけんしょう炎と、故障を抱えながら通算9アンダー、3位と踏ん張っている堺谷が、プレー終了後に駆け込んだのが、会場のクラブハウス左手にデン、と威を構えるトラック。名づけて『イギア』=写真=だ。『イギア』は、いわば、移動式のフィットネスルームで、ツアーに帯同するようになってすでに8年になる。トラックの中には、スポーツ整体の資格を持ったトレーナーが常駐し、選手らの体のケアにあたっている。
堺谷はさっそく、プレーで腫れあがった腕をトレーナーに差しだし、氷の塊でアインシングを受けた。冷たさで、腕の感覚がなくなるまで“氷のマッサージ”を施してもらったあと、さらに低周波治療器のSSPで、患部を刺激。みるみる、ひじの血行がよくなり、堺谷はホッと息をついた。
「腕が生きかえる感じです」(堺谷)。
堺谷がイギアに通い始めたのは、初シード選手となった今季のつるやオープンから。首筋をいためて苦しんでいるときに、横尾要に誘われて、初めて門を叩いたという。
「それ以来、ずっと頼りにしています。多少痛くてもあとで見てくれるところがある。そう思うだけで、安心してプレーしてこれるような気がしますよね」。
今週は痛み止めの注射をしてまで出場するほど、この試合にかけているだけに、イギアの存在に感謝感激だった。 3位につけた堺谷和将がプレー終了後に訪れた場所
イギア内では各種治療器具のほかに、フィットネスやトレーニング器具なども設置されている。選手によっては、プレー後、毎日必ずここに寄り、疲れを癒したり、体を鍛えたり。1時間ほど過ごしてからコースを後にするほどだ。
イギアのスタッフによると、「ツアー出場選手の約7割は、なんらかの故障を抱えている」そうで、この日も堺谷のほかに、横田真一、宮瀬博文ら選手が、ひっきりなしに入れ替わりたちかわり乗りこんできて、めいめいの目的を果していた。
『イギア』は、いまや、ツアーになくてはならない“駆け込み寺”なのだ。

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