Tournament article
ダイドードリンコ静岡オープン 1999
大会3日目
「天候は、回復にむかう」との、前日の天気予報は大ハズレ。
朝から容赦なく降り出した雨は、いっこうに弱まる気配もなく、選手、関係者らを翻弄した。
この、大会3日目のようすをまとめてみた。
写真:デビット・イシイ
■AM6時40分:
前日2日目にホールアウトできなかった選手75人が徒歩、搬送バスなどで、未消化ホールにスタンバイ。
■AM6時58分:
プレー再開のサイレンが鳴る。
■AM11時18分:
第2ラウンド終了。
通算11アンダーで、金鍾徳が首位、2打差の2位に奥田靖己がつける。
杉本周作が、66ストロークでベストスコアをマーク、4位浮上。通算イーブンの53位タイ、64人の選手が決勝ラウンド進出。
最終組を追う形で、競技委員が決勝ラウンド用のカップを切る作業に入る。
■AM11時35分ごろ:
決勝ラウンドのピン位置が決まる。
写真 ■AM11時45分ごろ:
決勝ラウンドの組合わせが決まる。(トップスタート12時15分)
写真:金鍾徳
■PM12時30分:
悪天候によるコース整備の関係で、予定より15分、スタート時間が遅れる。
■PM13時33分:
グリーン上に水がたまり始めたため、競技委員らがロールドライ(大きなローラーで、たまった水をグリーンの外に掃き出す作業)をかける。
■PM13時42分:
アウトスタート第1組が5番、インが14番ホールをプレー中に一時中断のサイレンが鳴り、選手がいったんクラブハウスへひきあげてくる。
■PM14時40分:
大会競技ディレクター・日下敏治が、全選手をクラブハウスのロッカールーム内に集める。
日下ディレクターから、新ツアー発足時に改めて掲げた「プロゴルフ競技では、できうる限り72ホールを消化して賞金を稼ぐこと」との主旨を遂行しようと選手らに提案。
選手らから、フェアウェー上に雨水のたまった箇所がある、などの指摘を受けたが、それら救済処置を競技委員長・藤崎茂夫が説明。
選手ミーティング約10分。
悪天候の中ではあるが、日没までにプレー可能なホールまで、プレーを続行することで、選手間の意見がまとまる。
■PM15時13分:
全選手がプレー中断ホールにスタンバイを完了した後、プレー再開。
■PM17時36分:
アウトスタート第1組が15番、最終組が9番、インスタート第1組が6番、最終組が15番ホールプレー中に、第3ラウンドの日没サスペンデット(中断)が決まる。
写真 現時点の首位は金鍾徳で通算11アンダー。
3打差2位に、奥田靖己、デビット・イシイ、田中秀道ら3人。
大会3日目のプレー再開は、明日7時の予定。
3日目の残りホール終了次第、決勝ラウンドを行う。
写真:3日目、1回目の中断でいったんひきあげてくる選手たちと、再開後、雨の中を懸命に戦う選手たち。
日下敏治・大会競技ディレクター
「昨日の天気予報では、霧雨の予報でしたが、昼過ぎから強い雨が降り出しました。プレー再開前に、選手にロッカールームへ集まってもらったのは、今後の天気予報や、コースの状況などすべてをお知らせして、新ツアーとしては、なんとか72ホールで競技を成立させたい、そのために今日、ひとつでもたくさんのホールを消化してもらいたい、ということをお話ししました。
これまで、再開や、中断についてその理由、状況を選手全員に説明したことなどありません。ですが、今度発足した新ツアーは選手主体の団体を目指してできた団体です。選手には、すべての状況を知ってもらい、了解を得たうえで、再びコースに出て欲しかったので、全員に集まってもらったわけです。
これまでのツアーで、始めての試みです。
選手個々にはいろんな意見はあると思います。
ですが、プロであるかぎりは、72ホールをして始めて賞金が稼げる、という基本趣旨、最低、これだけは選手全員に理解してもらえたと思っています」
倉本昌弘・選手会長
「現時点のコース状況、天候など全情報を伝えてもらい、今後、大会ディレクターや競技委員さんたちがどういう対応をしようとしているのかを全員に伝えてもらって、競技再開を決定していただいたことは、大変、喜ばしいことです。
選手の中では、いったんコースに出たら(スタートしたら)最後までプレーをする、という気持ちが浸透しているんです。
プロである限りは、いったん出したスコアには、最後まで責任を持つのが当然だからです。
僕らの本分は、コースに出たらプレーをすること。それによって、賞金を稼ぐこと。しかし、競技短縮になれば、賞金は75%、またそれ以上減ることになります。プロとして、それをみすみす認めるわけにはいかないんです。あくまでも、72ホール成立されることを選手全員が望んでいるはずなんです。
海外のツアーでは、2時間も3時間も中断で待たされて、夜の7時とかにプレー再開というパターンはいくらでもあります。
いままで、ちょっと天気が悪かったら、中止だってことになっていたのが、今後は、この厳しい天候下でもプレーを余儀なくされることがあるということがよくわかりました。
…僕らは、今年ようやく、ゴルフをして金を稼ぐ『プロの集団』になったんです」