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日本オープンゴルフ選手権競技 1999

「夢にむかってがんばっている」尾崎直道は、辛くも首位をキープ

 同一人物とは思えない。17番、225ヤードのパー3で、ピン7メートルを沈めてバーディを奪った直道は、次の18番447ヤードのパー4で、80センチにも満たないパーパットをはずした。
 直道は、1メートル前後の短いパットを打った瞬間、先を急いで思わずカップを覗きこむクセがあるからのだ。それが、このホールでも出た。後味の悪い最終ホールにしてしまった。

 「どうしたんかな、あんなパット。違うホールでも、昇りのスライスであれと同じような距離を2回ひっかいているんだ。最後で、きょうは3回目。ちきしょう。なんでだろう。オレ、わざとやってんのかな…」

 ホールアウト後、しばらくは、うなされたように悔やみつづけた。

 しかし、まだ2位と1打差を保って首位で決勝ラウンドに臨む。

「きょうは1日中、どうプレーしたらいいのかわからない状態だった。18番だって、完璧にそこまできてるのに、はずすすんだからね。ああいうのやると、ほんと、カッコ悪いと思っちゃう。自己嫌悪、すごいよ。きょうは長いミドルホールはフェアウェーから打っても届かなかったし、なんかつらいことばっかり。でも、そういうオレが、トップにいるんだからフシギだね。どうなってるんだろう。1打差でトップに残っていう点では、良くやってると思います。最後はまた、きょうの18番みたいなパットがあるかもしれないけど、その中でやっていくしかないよね」。

 夢がある、と語った。

 ワールドランキング50位内に入れば、出場権利が与えられるマスターズトーナメント。「これに勝てば、オーガスタに行けるに違いない。そういう気持ちでやってるんです。それでよけいプレッシャーかかってるのか、知らないけど、ぼくは、そういう夢に向かってがんばってやっているんです」。

 直道が、闘志を剥き出しにして、決勝ラウンドを迎える。

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