Tournament article
ブリヂストンオープン 1999
「息子と一緒に戦うのが夢」父・白浜育男
白浜育男、浩高親子が、初めて一緒の舞台で戦った。結果は、まずは父親に軍配。浩高は、「これにはちょっと焦りました」ともうはや父にライバル心をのぞかせている。
白浜育男は、6バーディ、ノーボギーの66、トップタイで初日を終えた。 このブリヂストンオープンは、かつてスポンサー推薦で出場し、優勝を飾った相性のいい大会でもある。
「内容はもう少しなのですが、スコア的には満足しています。パッティングとロングショットはまずまずですが、ショートゲームがもう少しという感じ。4つのパー5で1つしか取れていないのが痛いですね。
この大会で勝った年(93年)を境にして、このコースでは毎年調子良くなってきています。攻め方が身についてきています。守るホールと、攻めるホールがわかっています。うまくパーセーブしながら、バーディを狙って行くスタイルです」
もっとも、冷静なゲーム運びとは裏腹に、内心は気が気ではなかった。
「実は浩高のことが心配でなんだか落ちなくって…」。浩高とは、白浜の長男、白浜浩高(27歳)。
浩高は、9月に行われたPGA資格認定プロテストに合格したばかり。このブリヂストンオープンでプロデビューし、親子で初めて同じ舞台を戦ったのだ。
浩高はジュニア時代にジャックニクラウス・ジュニア賞を受賞した期待の逸材だった。しかし、日本大学を2年で中退して、研修生としてプロ目指したが、おしいところでテストに通らず、今回5回目の挑戦でようやく合格。晴れてプロとしてデビューできるまでになった。
「同じ舞台で戦うのは、長い間の夢だった」と父・白浜。ブリヂストンオープンはかつて優勝を飾ったゆかりの深い大会でもあるし、浩高はそのときキャディとして父のバッグを担いで歩いた経験もある会場だ。「だから雰囲気には慣れているはずだから変なプレッシャーはないと思う」としながらも、やはり息子がちゃんとやっているのか、心配で仕方なかったと打ちあけた。
13番ホール終了後には17番ホールプレー中の息子とニアミス。
そこで、「息子がひとつ引っ込んでいる(1アンダー)のを知ってほっとして」次の14番ではバーディ奪取。安堵を、スコアにつなげたかっこうだ。
一方の浩高は、父の心配をよそに、インスタートの10番でいきなり1メートルのバーディを決め、4バーディ、3ボギーの1アンダーと、初陣としてはまずまずの滑り出しだ。
しかし、父の6アンダーでトップタイには、初陣でいきなり父親の貫禄を見せ付けられたようで、「ちょっと焦りました」と、早くもプロ同士のライバル意識を覗かせた。
火曜日は、「オヤジと一緒に練習ラウンドをするのを楽しみしていた」という。だが、「オヤジに『若いやつは若い者同士でやったほうがいい』と言われちゃいまして…」と先輩の丸山茂樹とラウンド。
「そのときに、丸山先輩にインパクトの形についていいアドバスをもらって、それが今回とてもよかったと思います。
みんなから『頑張って、予選を通れ』って励まされて来たのですが、僕自身としては15位以内に入って、来年の出場権を取るつもりでプレーしています」上位入賞に向けてファイト満々のルーキー。
父に負けじと、実力のほどを見せつけるつもりでいる。