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PGAフィランスロピー 2000
「前はこんなスコアが出たら、たとえ初日でもドキドキしていたけど…」
この日、川原希がティショットでドライバーを使ったのは5回だけ。「このコースは比較的距離が短いし、ドライバーを振ってもフェアウェーに球がないと距離感がつかみにくくてゴルフにならないんです。ショットがあまり今よくないし、今週はグリーン勝負と決めています」
3番ウッドか2番アイアンでティショットを打ち、8番以下のショートアイアンで攻める。硬くてうねるグリーンに対抗して、刻みに徹したことがこの日、はまった。
6バーディ、ノーボギー、4位タイに「今日はたまたま。まだ初日でしょ。明日になったらわからないし…」と、のんびりと言う。
もっとも、昨年までの川原にはこうは言えなかった。「たとえ初日でも、こんないいスコアが出だしたらもうドキドキして、入れこんで、だめになってましたね…」
幾度か上位にも食い込みながら崩れ、最終戦の沖縄オープンでは最後までシード権争いを演じ、惜しくも権利が取れず、「悔しい思いもいっぱいした」という99年。「去年1年間は、とても勉強になった。あの経験のおかげで今は、とても落ちついてプレーできるんです」と話す。
父としての自覚も大きい。来年の1月1日が、第一子の予定日。「実は子供の写真、すでにバッグに入ってるんです。先週、レントゲン写真を撮ったときの分。といっても、まだ3センチくらいしか見えないんですけど(笑)」
まだ見ぬ我が子の顔を想像すると、気持ちも引き締まるのか、「たとえスコアが悪くても、最後まで投げない。悔しさもバネにして頑張っています」という。