Tournament article
アイフルカップ 2000
今週は約束が果せるように、そして、このヒゲがそれますように…
3番パー5で「強烈なスライスライン」の20メートルのイーグルパットを決めるなど、この日の原口鉄也は、パッティングが冴えた。
どのホールでも、3メートルから6メートルの微妙な距離のパッティングを次々と沈め、「今日はなんかすごくラッキーなのがいっぱい入りました。使いはじめて4試合目になるパター(オデッセイ社のホワイト・ホット)がすごくいいみたい」と、首位と4打差の通算7アンダー3位タイにつけ、ひげ面をほころばせた。
不精ひげを伸ばし始めたのは、JCBクラシック仙台、よみうりオープンでの予選落ち2回と、ミズノオープンでの胃痛による棄権と、3試合で不振が続いた直後から。
「あまりにも調子が悪かったので、ゲンを担ぐ意味で、自分が満足いく結果が出せるまで剃らないと決めている」という。
先週、広島オープンに勝った先輩の深堀圭一郎との帰り道。東京へ向かう飛行機の中でこんな約束も交わしている。
「深堀さんが『来週は絶対にトップ10入りをしろよ』って。この約束を果すためにも、残り2日、頑張りますよ」とVサイン(=写真)。さらに「…最終日は、このVを、1本(1位)にしたいな」と続け、原口は目を輝かせた。
“ヒゲを剃る瞬間”=“自分で満足のいく結果が出せたとき”が、深堀との約束を果せたときなのか、または今季自己ベストのトップ5位入りできたときなのか、はっきりと、その基準を決めているわけではないそうだが、万一、予想をはるか越え、初優勝を果せしたときは―。
「もちろん、剃りますよ!! …今週がそのときだったらいいのにな!!」
★ 原口鉄也
今季は、出場優先順位を決める、ファイナルQTランク・28位の資格でツアー参戦。先週の広島オープンまでに稼いだツアー賞金で順位を入れ替えるリランキング制度により、同ランク2位にランクアップし、翌々週のNST新潟オープンから、2回目のリランキングが行われるサントリーオープンまで、ほとんどの試合で出場できる資格を得ている。
ゴルフの名門・日大出身。先輩の丸山茂樹に憧れ、昨年から丸山、深堀らがはじめたトレーニングに交じるなど、積極的に刺激を受けている。
また、学生時代には105キロあった体重を、トレーニング、食事療法、炭酸飲料禁止などを自らに課して、3年がかりで87キロに減量。「おかげでショットのとき、80%の力で余力を残して振れるようになったし、昨年までは暑さにも弱くて、夏はスタート前までクーラーに当たっていないと我慢できなかったけど、今は全然平気になった」と話す。
現在、賞金ランク47位。