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住友VISA太平洋マスターズ 2000

▼ 大会みどころ&コースセッティング小山和顕JGTO競技運営ディレクター

 「秋恒例のインターナショナル3連戦がいよいよ開幕しました。
 今年も、年間メジャー2勝の実力者のマーク・オメーラほか、世界の強豪たちがここ御殿場に集まりました。
 中でも注目は、18歳のときアマチュアながら豪州ツアーに優勝し、今月1日にプロ宣言したばかりのアーロン・バデリーでしょう。
 バデリーは、デビュー戦として、この太平洋マスターズを選びました。
 この難コースでどんなプレーを展開してくれるのか…、早くも話題を集めています。

 日本人選手も負けてはいません。昨年、強豪をおさえツアー2勝目をあげた宮瀬博文をはじめ、先週、賞金ランクトップに踊り出た谷口徹、ここで3回の最多勝利数をあげている尾崎将司にいたっては、「この大会は、ツアー生活の中で重要な位置を占める、自分のゴルフのバロメーターとなる大会だ」と言いきっているだけに、活躍が期待されます。

 ここ御殿場コースは、来年の世界選手権「EMCワールドカップ」開催が決まっています。
 今年は、それにむけ全ホールの1グリーン化と、8ホールでティグラウンドを後方に下げるなど、全体で160ヤード距離を延長するコース改造が行われました。
 そのため、全長7,232ヤードと距離の長い非常にタフなコースになっています。

 たとえば、16番パー4。28ヤード延長され462ヤードになったこのホールは、ティショットをフェアウェー右に打つと木に遮られ、直接グリーンが狙えない。第2打でロングアイアンを握らされるのは必至ですから、ティショットで充分に距離を出し、なおかつ方向性を重視していかなくてはならないでしょう。

 また、17番。ここは、ティグラウンドを後方に下げ、228ヤードと距離の長いパー3 に。
 しかも昨年よりグリーンとの打ち下ろしの高低差が大きくなり、風の影響を受けやすくなりました。
 選手によっては、昨年より3クラブ以上も大きなクラブを握らざるをえなくなるでしょう。そのかわり、昨年まで馬の背だったグリーンの形状を1%削って、若干なだらかに改造されていますので、グリーンを捉えさえすればパーセーブは可能かもしれませんが、いずれにせよ、非常にタフなホールに生まれ変わっているのは間違いありません。
 ここ御殿場コースの長年のファンのみなさんには、昨年との攻め方の違いなども注目していただくと、面白いかもしれません」

★ 小山和顕プロフィール
 昭和38年8月15日生まれの36歳。11歳のとき、父に連れられて練習場に行って以来、ゴルフの魅力に取りつかれた。
 大学卒業後は、インストラクターとして活動するかたわら、ツアープレーヤーを夢見て練習に励んだが、当機構がたちあがったときに「ツアーを裏側から支える存在になりたい」と競技委員に志願。99年の1年間、修行を積んで2000年の今年から競技運営ディレクターに抜擢された。
 「ゴルフは心の格闘技。この素晴らしいスポーツをもっともっと広めていきたい」と、コースを飛びまわる日々を送っている。

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