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マンシングウェアオープンKSBカップ 2000
高橋勝成が、今季初の予選通過
“福の神”となったのは、以前から「この大会から起用しよう」と決めていたキャディの中里鉄也さん。
中里さんは葛生高校(栃木県)時代に阪神タイガースからドラフト4位に指名され、以来6年間、一軍入りを目指して奮闘していたが、昨年末、ついにチャンスをつかむことなく解雇通告される、といういきさつを持つ。
その後、かねてから高橋と親交があった現・近鉄バッファローズの真弓コーチの紹介で、この1月からツアープレーヤーを夢みて、高橋のもとでゴルフ修行を始めた。
「早いうちからツアーの雰囲気を経験させようと思い、1カ月ほど前からこの試合でキャディをやってもらおうと考えていた」と高橋。
緊張した場面でプロはどんなことを考えるのか、ピンチにどう対処するのか、「ロープの外からではわからないことを勉強させようと思いました」というのが、もともとの目的ではあったが、中里さんの起用は、高橋にとってもプラスに働いた。
というのも、「自分を知ってくれている人にキャディをやってもらうととてもリラックスしてラウンドができることがわかった」からだ。「今年、これまで予選通過ができなかったのは、技術ではなくて、精神的なものだったかもしれません」と高橋は振り返る。
「そんな、とんでもありません、今週は火曜日から緊張していましたし…」と中里さんは高橋のホメ言葉に謙遜しながらも、ボスの好成績での予選通過に、ひとまずほっと、胸をなでおろしていた。