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JGTO TPC イーヤマカップ 2000

▼ 第1回JGTO TPCイーヤマカップの舞台裏 『JGTO TPCイーヤマカップ』の舞台がここホウライカントリー倶楽部に決まって約1年

 「私どものコースで、いつか大きなトーナメントを開きたいというのが私の夢でしたから、『JGTO TPCイーヤマカップ』が、記念すべき第1回大会の舞台になると決まったときは本当に胸踊る気持ちでしたが、反面、『間に合うだろうか…』という気持ちが沸いたのも正直なところです。
 決定したのが昨年の1月。それから約1年あまりで、トーナメントコースを作り上げなくてはならない…。本来なら、最低3年の月日はいただきたいところでしたが、そんなことをいってる場合ではありません。とにかく、コーススタッフ一同、全力を尽くすしかないと腹を据えてやってきました。

 もちろん、ここをまわってくださる方に最高のコースを提供する、という気持ちは通常営業のときでも変わりませんから、これがツアーだからといって、特別変わったことをするということでもないのですが、やはり、常よりは芝の病気や、天候が気になり、「無事に開催できるだろうか」というプレッシャーは大きかったですね。
 また、このままではトーナメントを開くには距離が短すぎるということで急きょ、ティグラウンドを新設しましたが、これが1番大変な作業でしたね。
 芝は、土台が固まるまで、1年以上はかかります。特にティショットは足場を固めることが大事です。しかし、やはり時間が充分ではなかったため、ところどころ波打っている箇所もあるのは残念ですが、これは致し方ない部分ですね。

 『入れたら、いったん出すしかない』と選手のみなさんが声を揃えられているというラフは、開催の2週間前から、通常営業60ミリで行っている刈り止めをやめた結果、今では深いところで150ミリ以上になっているでしょう。
 大会が終われば、伸び放題になったラフは、4回くらいに分けて、また元の長さに戻します。あまり深くなりすぎたところは、葉が絡まってしまうため機械が入れない箇所もありますが、そこは手作業で地道に刈っていくしかありませんね。

 私どものコースの芝は、開場当時、寒地型芝生のライグラスという洋芝を使用していました。設計家のロバート・ボン・ヘギー氏の「リゾート地の芝は、常に緑でなくてはならない」という強い信念で採用されました。ヘギー氏は、日本に訪れるたびに思ったそうです。「どうして、日本人は、半年以上も茶色の芝の上でゴルフをして平気なんだろう」
 それで、当コースには、冬でも緑色をしている洋芝を使用することを強く希望したのです。
 もちろん、この芝にはデメリットもあります。寒さに強いこのライグラスは、逆に暑さに弱い。日本の気候に合いにくいんですね。年中、手をかけていなければ、たった1日で枯れたり、深刻な病気になってしまうこともあります。
 それで、当コースでは1万平米(ミドルホールのフェアウェー分くらい)のナーセリーを作ってダメージを受けた箇所を張り替えたり、4年前には比較的、日本の気候にも合ったブルーグラスのタネをまき始め、それがようやくここ数年で6、7割、根付いてきたところです。
 本番のはじまったこの時期は、温度も上昇しはじめ、芝の病気が発生しやすい時期でもありますが、雨が降ると機械がコースに入っていけないなど、作業ができなくなるので気持ち的には非常につらい。欲を言えば次回から、梅雨時期をはずしていただき、春か秋に大会が開ければ、もっともっと素晴らしい状態で選手のみなさん、ギャラリーのみなさまをお迎えできるのになあ…とは思っているのですが…こればっかりがしかたないですよね(笑)」