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JGTO TPC イーヤマカップ 2000

▼ 『JGTO TPCイーヤマカップ』舞台裏 18番グリーン手前の池から、にゅっと突き出るテレビカメラ

 18番グリーン手前の池から、まるで潜水艦の望遠鏡のように、グリーンをじっと見張っているものがある(=写真上)。
 「放送関係者の間では、“ロボットカメラ”と読んでいます」とは、今大会を4日間を生中継する、NHKの総合ディレクター・木下千里さんだ。
 18番は、勝者が決まる要のホール。このグリーンに池が絡むと、見た目は非常に美しい映像が取れることは確かだが、同時に、大会4日間を締めくくる、ウィニングパットの映像が、お茶の間に届けづらいという点も否めない。
 「放送関係者としては、このグリーンまわりはどの方向からもカメラを回したい。視聴者のみなさんに、できるだけ臨場感のある画面を届けたいですからね。でも、これだけ池が迫っていると、ピン奥につけた選手がパッティングをする際、フェアウェー方向からカメラを向けるのは不可能です。
 それで、苦肉の策として池の中にやぐらを組んで、その上にカメラを設置し、逆方向からの映像も届けられるようにしているわけです」(木下さん)

 万一、カメラにボールが当たってもトラブルが起きないように若干、斜めに傾けられ、また、グリーン手前の赤の境界線ギリギリにボールが止まった場合を想定して、池の淵から約2メートル離す工夫もされている。
 カメラワークは、18番から少し離れた正面玄関前にある中継バスの中から。リモコンで、360度、ぐるりと首がまわる。
 「ただしこれは、最終日に切られるあろうピン位置に向かって、レンズが正面にくるようあらかじめ設置されています。ですから、場合によっては、選手とピンの両方が、ピタリと正面にくるような理想どおりの映像が取れるかどうか、まだわからない。取れてワンシーン…もしかすると、ひとつも取れなかったという、残念な場合もあるかもしれない。
 しかし、それも覚悟の上です。スポーツ放送というものは、万にひとつの可能性でもあれば、それに賭けるものですからね。
 成功するかどうかはわかりませんが、NHKとしては初めてこの池の中からのカメラ中継に踏みきったのです」(同)
 決勝ラウンドのテレビ中継は、土曜日がNHK総合 14時30分〜16時。日曜日がNHK総合 13時45分〜16時。
 最終日18番。果して、池の中からの中継は実現するだろうか。勝負の行方のほかにも、楽しみのひとつになってきた。