Tournament article
サン・クロレラ クラシック 2000
「2人のゴルフには栄養が一杯」
中嶋常幸は通算1オーバーで、今季9試合目の予選落ちとなったが、「2人のプレーを見ていて、思うところがあったんだ」と、笑みを浮かべた。
それは、インパクト時の発見。
「距離感はインパクトの強さで決めるってことに気付いた」と中嶋。
「たとえば、それまで自分はアプローチの距離感は、落とし場所を想定して決めていたフシがあったんだけど、2人を見ててそうじゃないってわかったんだ。
2人は“打感”に集中し、本能で振っている。それに気付いてからは、2人のイメージで振るようにしていった。そしたら今日はほとんど取りこぼしがなかったからね。2人のゴルフには、栄養が一杯詰まっていたよ」
全盛期をほうふつとさせるAON同組対決。中嶋はこのラウンドで「精神的な何かを思い出せるはず」と予想していたそうが、もっと大きな「技術的なもの」を収穫することができ中嶋は「こんな組み合わせはこれで最後だと思うけど、すごくいい思い出になったよ」と語った。
「ジャンボは68でまわり、数字的にはそれなりのゴルフだけど、本人は満足してない。青木さんは、久しぶりの日本ツアーで、コースだとかセッティングも含めて戸惑いがあったと思う。自分は自分で今年はずっと調子が悪いからね。
3人とも思うようにプレーできなかったことは残念だけど、3人で回れたことは、大事なこと。もうこういう組み合わせがないと思うと、寂しい気がする。
結果は見ての通りだけど、自分としては非常に有意義な3日間だったと思う。昨日から2人のプレーを見て、思うところがあって、今日は少しはそれがやれたと思うんだ。2人のゴルフには栄養が一杯詰まっている。贅沢なラウンドだった。とても楽しかったよ。
今回は、2人のプレーで精神的な何かを思い出すだろうと思っていたけど、そういう戦闘態勢みたいのはスタートティに立ったときに自然と出てきた。
それより、技術的なものを思い出したことが大きいね。今回のラウンドは、今後の自分にとって、非常に大事なものだったといえると思うよ」