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日本プロゴルフ選手権大会 2000

「この歴史ある大会で、3人一緒に名前を残せたこと。それがまず、何よりも嬉しいんだ」尾崎直道

「1番のイーグル。あれはセカンド、普通なら、絶対乗らないんだけど、ティショットを、…これは一緒にまわった細川に対する挑戦状のつもりだったんですけど、渾身の力をこめて300ヤード近く飛ばして、残りは240ヤード。スプーンで2オンさせました。
 あれで『これはいける』と思った。おかげで2番で、ポジティブな気持ちでアドレスできたからね。そのあと、アウト前半はほんとうに危なげなくパーフェクトなティショットと、パーフェクトなアイアンショットが打てて32ですからね。

 でも、10番で、80センチのバーディパットを『これを入れたら逃げ切れるな』と思ったら、しびれちゃいまして…入れられなかったんですが、13番のバーディである程度、大丈夫だろうとは思いました。でもあがりホールは、ボギーが起こりやすいんで、まあ最低2つリードで迎えられたらいい、と…。ところが、14番で見事にプレッシャーに負けたティショットをしてしまった。90%、OBだと思ったね。思わず『うや〜』って叫んじゃったよ。

 いつもはスプーンで打つのに、安全に2番アイアンで打っとこうと思いながら、飛ばそうとして力んでる。ねらい目のフェアウェーど真ん中に飛ばそうとして、手首をかえしてしまった。あそこまでフックするとは思わなかったね。でも、あそこは何?

 木に当たって(インバウンズに)出てきたの?

 へえ…そう…。このコースはラッキーでは勝てないのにね…。実力がないとアンダーパーでは回れない。そういう点でアメリカのコースと一緒なんだよね。

 16番の第2打で、バンカーの目玉に入れてそこからまたバンカーにやっちゃったときはもう、マラソンで、ジャンボとジェットが後ろにぴったりついてきたくらいのプレッシャーがあったよ。でも、寄せワンで、きれいに打てて、OKパーにできたことは、とても嬉しかったね。

 17番ロングホールでは、ジャンボの第2打がキックして乗ったでしょう。まさか、あんな近くに寄る(7メートル)とは思わなかったからね。(この日、ジャンボは、直道に前組でラウンド)ずっと、ティショットからはジャンボのセカンドが、セカンドからは、ジャンボのパットが見えてたからね。セカンドで、ジャンボのイーグルパット見ていたら、入りそうなリアクションするものだから、『えっウソだろ〜、イーグルだけは勘弁して』って思って見ていたよ。でも、あれをはずして、次のバーディは獲るだろうと思ったら、ギャラリーがざわついてて、『えっあれをジャンボがはずしたの?』と思った。そこで正直言って、自分のプレーとは別に、勝利を確信したね。

 最終ホールは3パットでもいいって感じで打ったら本当に3パットしちゃって、あれはご愛嬌ということで、ね。

 ここまで自分のスコアが伸びると思わなかったけど、前半、パープレーでいければ、自分にもチャンスはあると思っていた。いま、ボクはこれまでのゴルフ人生の中で、1番、脂が乗っている時期だと感じている。今年はこの先、どこまで行くのやら…この調子でいくと、日本の賞金王も気になるし、米ツアーのシード権も気になるし…といったところだね。

 ジェットのことを考えると…まいったね。ジェットは1番も2番もボギーにしたの?ホントに?

 …そういうことがあったんだね…。勝利の喜びと、ジェットのショック…2つ一緒には考えられない。ジェットにとっては長い1日だったろうと思う。最初から、相当なプレッシャーがあっただろうからね。でも、いまジェットはものすごくいいし、そのうち必ず勝てると思う。

 それにしてもこの、大変歴史あるトーナメントに、3人一緒に名前を残せたこと、これが大変嬉しい。意義あることだよ。また、兄弟3人で上位を独占したことは、はじめてです。それがなにより嬉しい」

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