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宇部興産オープン 2001
「明日は1球も、疎かにしない」
ラスト18番で、左奥3メートルのバーディチャンスをはずし、空を仰いだ中嶋。
「ああいうパットが他にも一杯。全部入っていれば、軽く50台は、出せたのに!!」と悔しがった。
パッティングは、4度の賞金王に輝いた80年代の“全盛期”に比べて、「今は足元にも及ばない」と歯ぎしりするが、ショットについては、「間違いなく、今のほうがはるかに良い」と言い切る。
この日、フェアウェーを外したのは2番のパー5だけ。
その2番でも、第3打をピンまで60センチにぴったりとつけてバーディを奪い「今日はノーミス。ショットに関しては、近年にないくらいの出来」と、自画自賛だ。
6年ぶりの復活Vにむけ、最終日に残す不安はパットだけということになるが、それも、「対処法は心得ているんだ」と、動揺はない。
「今日のパッティングについて、はずした現象の共通点は、ちゃんとわかっているんだ。これ、という決定打ではないけど、いろいろ、努力して力を尽くすべき点を心得ている。肉体的、精神的な対処法がひとつあって、それを明日やってみようと思っている。どんな対処法かって?・・・それはいえないなあ(笑)」
首位と3打差で迎える最終日。
「大きなスコアを出せる要素は、充分にある。勝つために、明日は1球も、疎かにはしない」
律子夫人と出逢ったなれそめの地、山口・宇部で、中嶋が再び栄光をつかもうとしている。