Tournament article
宇部興産オープン 2001
キャディバッグに『HIROSHI』の文字
いつの頃からか、ウィルソンのキャディバッグには、『HIROSHI』(=写真上、撮影:10月ブリヂストンオープン)の名前が、刺繍されるようになった。
『HIROSHI』は、福岡にルーツを持つ、ハワイ在住の母・グレースさんがウィルソンにつけたミドルネーム。
バッグの刺繍は、第2の故郷を大事にしようとする、ウィルソンの気持ちの表れだ。
「僕も半分は日本人。大好きな日本のファンのみなさんにも、もっと、僕のことを知ってもらいたいからね」
日本プロ、日本マッチプレーに続く今季3勝目を、ここ山口県で挙げたことについても、ウィルソン“ヒロシ”には、格別の思いがある。
というのも、山口県は、母方のいとこにあたる、沖広さん一家が住む街だからだ。
福岡県で行われた日本プロでも、応援に駆けつけてVシーンを見守った沖広さん一家は、今週も18ホール、ぴったりとついて歩いた。
「今日はすごいゲーム展開で・・・最後までハラハラしどうしでした」とは沖広敏行さん。
「でも、キャディのフィリップさんが、“今週、ディーンは調子がいいから”って・・・。“絶対に勝つから安心して見てて”って言ってくれて、本当に、そのとおりになりましたね」(笑)」
ロープの外から、今回の勝利を支えた沖広さん一家は、ホールアウトしてきたウィルソンとがっちり握手。
敏行さんの長女・亜紀さんは、さっそくメールでハワイのグレースさんにも吉報を伝え、今季3度目の栄冠を喜び合った。
(写真下=沖広さん一家、ウィルソンと握手しているのが、グレースさんのいとこに当たる、敏行さん。沖広さん一家は、この冬、ウィルソンの故郷・ハワイを訪れることが決まっていて、今からとても楽しみにしているそうだ)