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タマノイ酢よみうりオープン 2001
▼ 3日目、トピックス 「わからないうちに、終わっちゃいたい」
“宮里”といえば、まず、東北福祉大学3年のスーパーアマチュア、宮里優作君が思い浮かぶ。
兄の聖志(きよし)自身も、それは重々承知で、「弟にも『そろそろ行っとかんとアカンで』、って言われるけど、僕は“優作”じゃあないんだから・・・(笑)。明日も、ちゃんとやれるかどうか・・・」と首をかしげる。
それでも、今週は3日間60台をマークするなど、安定ぶりを見せる。
しかも、3日目のこの日は、ノーボギーの67。首位と3打差の通算12アンダーで、ツアー本格デビュー1年目にして、早くも初の最終日・最終組を経験することになったのだ。
「(優勝は)早いほうがいい」と聖志。
「緊張はもちろんすると思うし、今日も緊張していたけれど、それは、とても心地よい緊張感だったし、・・・かといって、明日も“心地よい”かどうかわからないけど(笑)。スィングリズムと、欲を出さないことだけを心がけ、自分のプレーに徹したい。・・・なんだか、わからないうちにゴルフが終わっちゃったらいいな(笑)」
最終日の頑張りで、“宮里優作の兄”という形容詞を返上したい。
★ 宮里聖志プロフィール
3歳のとき、父・優氏の指導のもと、ゴルフを始める。
中学卒業後、親元の沖縄を離れ、大阪桐蔭高校に進学。大学は名門・近畿大学を選ぶが、4年在学ののち「遊びがたたって」留年決定。怒った優さんに連れ戻されて、再び故郷で、ツアープレーヤーを目指し修行生活に入ったのが3年前のこと。
昨年、ツアーのファイナルQTランク11位に入り、2001年の出場権を獲得した。
4歳下の弟・優作君(東北福祉大学3年)はタイトル38冠を持つトップアマ。昨年は、ブリヂストンオープン5位、住友VISA太平洋マスターズ3日目には、63でまわってコースレコードを更新するなど、ツアー界でも有名人だ。
ちなみに、現在・東北高校1年の妹・藍ちゃんもトップアマで、先週の女子ツアー『サントリーオープン』では、ベストアマチュア賞を獲得している。
前日2日目には、弟優作君には電話で「そろそろここらでやっとかんと」と激を送られ、藍ちゃんからは、「明日もしっかり頑張って頂戴よ」と応援メールを受け取っている。
得意クラブは「パター以外(笑)」という聖志。6月のJCBクラシック仙台では、ともに出場した優作君から、ミズノ社製のピンタイプのパターを譲り受け、「すごくストロークしやすくなった」と、心強い相棒も手に入れて、初のV争いに挑む。