Tournament article
全日空オープン 2001
「あとひと工夫で、優勝に手が届く」
17番、579ヤードのパー5。
46歳の、中嶋のセカンドショットがうなりを上げる。
フェアウェー左サイドからせり出す、丈高い林超え。スプーンで、247ヤード先のグリーンを、見事に捕らえた。
沸きに沸く大観衆。
だが、見せ場はこれで終らない。
ピン手前8メートル、「ちょいスライス」と呼んだイーグルパットが、ど真ん中からカップに消えると、大歓声で、あたりは騒然となった。
「北海道のお客さんは、応援がすごいから、ほんとうにやりがいがある」
首位と2打差で向かえた最後の18番は、気合が入った。
「絶対に曲がらない」と決めて打ったティショットは、300ヤードドライブでフェアウェーど真ん中。
残り106ヤードの第2打を、ピン左手前10メートルにつけて、バーディチャンスはあともうひと転がりで、惜しくもカップには届かなかったが、「優勝には、あともうひと工夫で届く」と中嶋。
「最後も良いパットが打てた。無心になれた。若い子にはない、味のあるゴルフができた。来週から、また、楽しみだね」
復活の足音は、もう、そこまで聞こえている。