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日本ゴルフツアー選手権イーヤマカップ 2001

▼ 初日、トピックス「僕も勝ちたいもん!!」

首位タイの日下部光隆

 先週、先々週と、続けて予選落ち。
 その原因について、日下部はこう自己分析した。

 「最近、技術に走りすぎていた。スィングにこだわりすぎて、コースに出てもスィングチェックをやっている状態・・・。
 練習場でいい球を打ない人間が、試合でいいショット、できるわけないのにね」

 井上透コーチとスィング改造に取り組んで4年。
 その成果は実感しているものの、成績につながらないもどかしさがあった。
 「スコアが出ないと、余計にスィングにばかりこだわってしまって・・・。良いスィングで回ることと、良いスコアで回ることは違うのに、ね」。

 そこで反省した今週は、心をすっかり入れ替えた。
 スィングの最高の状態を100%として、そのうち60%でも、スコアを作る。
 「コースに出たら、今出来る最大限のことをやる」、と決めたら無駄なボギーも自然と減った。

 左にドッグレッグし、グリーン左手前に池が広がる5番、530ヤードのパー5。
 昨年はドライバーを振り回し、左サイドから2オン狙いのホール。
 この日初日は攻め方を変え、はじめからスプーンで刻んだ。
 「無理に乗せても結局、左の林に入れてボギーのパターン。でも今日は最初から刻んだら、6メートルに乗ってバーディ。今日は常に一歩引いてプレーしたら、とても楽にゴルフができたし、腹の立つこともなくなりましたね」

 なんとしても、このあたりで結果を出しておきたい理由がある。
 先々週のタマノイ酢よみうりオープンで、練習仲間の福澤義光がツアー初V。
 福澤も日下部と同じ、井上コーチの門下生、いわば“チーム井上”の一員だった。

 一昨年前は、その“チーム井上”から、米山剛がブレーク。昨年は、佐藤信人も賞金ランク3位に入るなど、仲間の大活躍を目の当たりにし、今シーズンは「俺の番だよ!!」と意気込んでいた矢先。シード権も持たなかった福澤の、いきなりの初Vには、さすがに動揺したという。
 「そりゃあ・・・俺も勝ちたいもん」と口を尖らせた日下部は、「“次は俺の番・・・”って思いながら頑張っています」とつぶやいていた。

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