Tournament article
サン・クロレラ クラシック 2001
「つい、真似したくなっちゃうんですよねえ…」
今季、日本ツアーに腰を落ち着けた友利勝良が、ある悩みを抱えている。
「つい、人の真似をしたくなっちゃって。それでかえってミスするんですよねえ…」
今季、6月に3週連続で予選落ちがあったりと振るわないのは、「それが大きな原因ですね」と友利。
97年から参戦した欧州ツアーでは、国籍やパワーの違いから、「真似しても、アプローチやパッティングくらい。もともと違うレベルだから」と、他のプレーヤーには目もくれず、ひたすら、自分のショットに専念できた。
だが、日本ツアーに戻ってくると、試合中でも、妙に周りが気になってしまう。つい目移りしてしまうのだ。
「いまの人は、みんな高い弾道で、よく飛ばすでしょう。それを見ているとだんだん羨ましくなってきて、『同じ日本人だし、真似できそう』とか、安易に思っちゃうんですよね。で、コースでも同じように振ってみるんだけど、そうそう、うまくもいかなくて…(苦笑)」
低い弾道が持ち味。だからこそ、その特徴を生かして風の強い欧州ツアーでも対応できた。
普段の飛距離では負けていても、「アゲンストでのプレーなら結局、第2打の残り距離が同じだから」と意に介さなかった。
だが、晴天・無風の日は、「バンカー超えの長いパー3なんかで、あともう少し弾道が高ければ届くのになあ」と、欲張ってしまう。
ティを高くしたりいろいろ試みるのだが、結果、すくい打ちになったりで「右へ行ったり、左へ行ったり…。まあ、ほとんど、右に曲がることが多いかなあ」と首をひねる友利。
失敗したあと、“人真似”をしたことに後悔するのだが、「また次の試合で、他の人がうらやましくなっているんですよ」と苦笑いだ。
だがその悩みも、1日中強風が吹き荒れるここ、札幌ベイGCでは影をひそめている。
「今日は、自分のゴルフに徹することができました」
3アンダー、トップタイ。
このまま、上位を走りつづけるためにも、今週は、最後まで“自分流”を貫きたい。